理想の経営を目指すためには余裕を持った資金が必要である。さらには、会社を育てていくために、本業とは別にもう一つの定期的な収入源があれば、少なくとも生活していく分には安心だろう。「真面目で一生懸命頑張っている経営者」こそ不動産投資の恩恵は十分に受けられる――自身も投資家である曽我ゆみこ氏はそう語る。経営者に特化した初心者のための不動産投資のポイントをわかりやすく解説する。本連載は、曽我氏の著書『経営者のための初めての不動産投資戦略』(プレジデント社)から一部を抜粋した原稿です。

「家賃滞納対策」払わない人は払わない…ならば?

入居者の家賃滞納対策は、定期借家にすることや、家賃支払いの口頭・電話などでの通知、内容証明郵便による督促状の送付などがあります。しかし、こうした督促を行ったところで、払わない人は払いません。というのも、払えるものならば払っているからです。

 

ですから本人に直接督促するよりも、入居時に登録してもらった連帯保証人に連絡したほうがいい場合もあります。周囲に迷惑がかかることがわかった途端に、お金を払ったり、経済的困窮に陥っていることに気づいた保証人が、家賃を肩代わりしてくれたりする可能性も高いでしょう。

 

とはいえ、私はこのような面倒なことは今はやっていません。もちろん、このように自分で賃貸管理をすることで、借り手の状況がよくわかり、家賃滞納をする前に予防線を張っておくことができるなどのメリットがありますが、それを上回る手間とデメリットがあります。

 

したがって、家賃保証会社の保険に入ることをお勧めしますし、私自身も加入しています。ちなみに家賃保証料は、基本的に借り手が負担するもので、貸し手側に負担はかかりません。

 

客付けが鈍る(借り手がつきにくくなる)ということも確かにありますが、業界全体が家賃保証会社を付ける方向に動いているので、客付けという意味で足を引っ張るケースは減ってきています。この家賃保証会社の保険は、入居予定者の信用調査のほか、家賃滞納時には、家賃の回収を代行してくれるというものなので、ぜひ加入を検討したいものです。

 

ただ、オーナーチェンジ物件の場合、過去から入居していた借り手は未加入の場合があります。そうしたときには加入をお願いするか、難しい場合はこちら側で費用を負担して、入ってもらうようにします。

 

 

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経営者のための初めての不動産投資戦略

経営者のための初めての不動産投資戦略

曽我 ゆみこ

プレジデント社

働けなくなったとしても生活していけるだけの毎月の十分なキャッシュフローをつくる(当面のお金の心配をせずに本業に専念できる)。会社をたたんだ時に、法人、個人全ての借入が清算(返済)できるだけの純資産をつくる。毎月のキ…

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