居住施設やエリアが絞られる、限定的なマーケット
■2路線利用できる立地…観光客が多く、電車は混雑
台場はお互い接続はしていませんが、ゆりかもめと東京臨海高速鉄道りんかい線が利用できるエリアです。ゆりかもめで「新橋」までは14分ほど。りんかい線を利用すれば、「大井町」には7分、山手線と接続する「大崎」には11分ほど。大崎から埼京線に直通する電車であれば、「渋谷」20分、「新宿」25分と、乗り換えなしにアプローチできます。
海を隔てた観光地、というイメージが強い台場ですが、都心や山手線の西側エリアに乗り換えなしにアクセスできるなど、交通手段はしっかりと確保されています。しかし埼京線直通のりんかい線は本数が少なかったり、観光客で電車が混雑していたりと、ストレスを感じる場面が多いかもしれません。
■台場の人口構造
国勢調査を中心に、台場地区の人口構造を分析していきます。
台場のある港区の人口は24万人強で、台場にはそのうち2%強の5,000人ほどの人が住んでいます。観光地的要素が強く、また居住施設も限られているため、人口そのものも多くありません。
居住施設の多くがファミリーをターゲットにしたもの。もともと港区は生産労働人口が多く高齢者が少ない自治体ですが、台場の若年層の割合は区の平均を大きく上回る17%強。東京都のなかでも若さあふれるエリアです(図表1)。
世帯の状況をみていきます。単身者世帯の割合は、23区平均が50%程度ですが、台場エリアは30%弱。20ポイント近くも下回ります。高齢単身者率も23区平均の四分の一程度で、台場エリアがいかにファミリー層主体の地域であることがわかります(図表2)。
住民の多くは賃貸で、持ち家比率は20%以下。23区平均を30ポイント近く上回る、賃貸主体のエリアです(図表3)。特に「公営・都市再生機構・公社の借家」が目立ち、民間の賃貸物件はかなり限られます。5年定着率は23区平均よりも大幅に低く35%強。この結果も、賃貸率の高さからくるものだと考えられます(図表4)。
■不動産マーケットの状況
台場の家賃相場をみていきます。前出の通り、台場エリアはファミリー向けの物件が主体で、単身者用の物件はほぼゼロです。そこで1LDKに注目して家賃相場をみていくと、駅徒歩10分以内で20万円超え。港区の平均は下回るものの、都内でも家賃水準の高いエリアです。また居住施設のあるエリアは限られ、駅徒歩10分を超える物件はほとんどありません(図表5)。
中古マンションの取引価格をみていくと、港区の平均は23区平均を50万円以上も上回り、都内でも不動産価格の高いエリアです。それから比べるとお台場エリアはリーズナブルですが、23区平均を10万円以上も上回っています(図表6)。
また過去5年の中古マンションの取引数をみていくと、物件そのものが限られているため、取引件数自体多くなく、四半期に2~4戸程度が安定的に取引されてきました。2020年第1四半期の取引件数はゼロ。これはコロナ禍の影響と考えられ、今後、回復するかが焦点となります(図表7)。
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