人口減少の局面になり、厳しさが増す不動産投資。今後、どこが投資エリアとして有望なのでしょうか。不動産投資には欠かせない要素である「人口」や「不動産取引の現状」などをもとに、検討していきましょう。今回紹介するのは、江東区「豊洲」。

湾岸エリア、人気筆頭の「豊洲」

「豊洲」は東京都江東区南西部に位置し、東京メトロ有楽町線、東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)の駅です。元々は海でしかなかった場所。関東大震災の瓦礫処理によって誕生した、比較的新しい埋立地です。

 

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1980年代後半までは、石川島播磨重工業(現・IHI)などの工場や火力発電所、各種物流倉庫が立地する工業地で、周辺にはこれらの従業員向けの社宅や商店が点在するエリアでした。

 

転機になったのが、1988年、当時、営団地下鉄有楽町線の「豊洲」駅開業によって、「有楽町」駅や「永田町」駅など、都心へダイレクトにアクセスできるようになったこと。また同じころ、産業構造の変化で工場群が移転し、跡地では大規模な再開発が行われるようになりました。

 

1992年、「豊洲センタービル」の完成を皮切りに区画整理が本格化。大規模な高層オフィスビル、タワーマンションの建設がスタートし、2006年、石川島播磨重工業(現・IHI)の工場跡地に「アーバンドック ららぽーと豊洲」が誕生すると、「職・住・商」が揃うウォーターフロンとして人気を集めるようになりました。

 

光り輝くタワーマンション・豊洲ベイエリアの夜景(※写真はイメージです/PIXTA)
光り輝くタワーマンション・豊洲ベイエリアの夜景(※写真はイメージです/PIXTA)

 

■都心に隣接した立地

豊洲は有楽町線とゆりかもめのの2路線が利用可能。「銀座1丁目」駅には3駅、JR線と接続する「有楽町」には4駅と、都心への近さが魅力です。

 

銀座には直線距離で3kmほど、自転車であれば20分ほど。橋を渡る際の勾配は少々きつい箇所もありますが、比較的平坦な道のりでアクセス可能です。日本一の商業地が生活圏内という立地が、昨今の豊洲の人気を決定づけました。

 

■豊洲の人口構造

国勢調査を中心に、豊洲地区の人口構造を分析していきます。

 

豊洲のある江東区の人口は50万人弱。豊洲には、そのうち15%が住んでいます。昨今のタワーマンションブームによって、ファミリー層の流入が続いたこともあり、15歳未満の割合が20%弱と東京都平均を8ポイント近くを上回り、平均年齢も東京都平均よりも6歳近く若いという、若年層が多く住む街です(図表1)

 

出所:平成27年「国勢調査」より
[図表1]「豊洲」周辺の人口動態 出所:平成27年「国勢調査」より

 

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