ネット販売は安定収入が厳しい…働きどおしの毎日
【ネット販売業・Cさんの事例 ~どうやって私は優良物件に出会ったか~】
「2009年頃、不動産投資に興味を覚え始めた」と話すCさん。きっかけは、リーマンショックなどで不況が訪れたことでした。かねてより、インターネットを使って物販業を営んでいたCさんは、拘束時間が長いうえに、季節の変動で売り上げが大きく増減する本業に、多大なストレスを感じていたそうです。
「季節による変動もそうですが、とにかく安定しないことが不安でした。体力的にも精神的にもきつかったです。インターネットを使っていると、売上の数字をはっきりと突きつけられるうえに、 24 時間開店しているようなものなので、いつも疲れが取れない状態でした」
安定したお金が入ってくれば、楽なのに……そう考えていたCさんですが、2009年になり、
「市況が一気に悪くなった今は、不動産投資をするチャンスではないかと思った」といいます。「とにかく不動産に関する書籍がたくさん出ていたので、それらを読み漁りました。そのうえでインターネットを使って物件を探し出したのですが、基準もわからなければ、エイヤッと買う勇気も出なかった。だから、不動産投資セミナーに参加して、ヒントを探っていきました」
参加料無料のものから、1回の会費が5000〜1万円程度のセミナーに参加していったCさん。当然ながら、そうしたセミナーは、営業の一環であることがほとんどです。Cさんもいろいろな勧誘を受けました。そうしたお誘いをハナから否定していたわけではないものの、踏ん切りはつかなかったといいます。
「自分で納得がいけば、『お願いします』と頭を下げるのですが、こちらが持っている疑問をぶつけても、いまひとつ反応がよくなくて。毎月の収支の表を見せてもらうと、初月からキャッシュがマイナスでした。『これは、毎月、持ち出しということですか』と尋ねると、『はい、そうです』と笑顔で答えられました。このような物件を購入したら大変だ。自分でやるしかない」。
そう決心したCさんは、とにかく自分が納得のいく物件を見つけようとインターネットで探し続けました。ある日、倉庫代わりに使っていたマンションの一室に、大きな棚を取り付けるため、知り合いの工務店の社長と話をしていると、不動産投資の話になったそうです。
「『現金が入り用になった知り合いの業者がいて、その業者がアパートを売りたがっている』ということでした。さっそく取り次いでもらって見学に行くと、理想の物件に近かったので、すぐに『買いたいです!』と伝えました」
月300万円の収入も、あくまで本業のおまけと据える
ちょうどその半年ほど前に、相続した区分マンションを売って2000万円の現金が手元にあったCさん。1000万円を頭金に入れ、8000万円の物件を手に入れたのでした。
「そこからは、1〜2年に一棟ずつ買い増していきました。現在は毎月300万円程の安定したお金が入ってくるようになりました。いざとなれば物件を売ればまとまったお金も手に入るということで、精神的にもだいぶ落ち着きました。目先の売り上げを追うのではなく、もう少し長いスパンで余裕を持った経営ができるようになったと実感しています。もう少し、所有する不動産を増やし、事業のほうは家族との時間や自由な時間を持ちながらできる範囲に縮小させていきたいと考えています」
ただし、本業を完全にやめるという気持ちはないとCさんは語ります。
「収入源を不動産に絞ってしまえば、また同じことが起きる可能性があります。2011年には東日本大震災が起きて肝を冷やしました。たまたま私が所有している物件は被害が少なかったのですが、同じことがいつ起こるともわからない。それに、どうしても不動産業だけでは信用が薄いんです。投資額が大きいですから。本業のほうが信用は厚い。つまり本業と不動産業は、お互いの欠点を補っているところがあって、より効率的になると感じています」
収入源が複数になることで安心感が得られ、本業と不動産投資を並行して行うことで相乗効果が生まれる。そのようにして、Cさんはストレスフルな生活から、離れることができたのです。
曽我 ゆみこ
化粧品会社経営
投資家