大切なものを100個、書き出してみよう
「あきらめるって結構いいこともあるんだ」と、なんとなく思ってもらえたんじゃないかと思います。「思えなかった」「あきらめるってやっぱ負け感が強いわ」という人は、別にそう感じたままでも大丈夫。
ここからは、しんどさの根源になっていく些末な欲求たちをあきらめていくために、本当の意味で「自分があきらめられないもの」を見つける方法を僕なりに提示していくので、できそうかなと思ってもらえたら、やってみてください。
で、ステップ1ですね。
まずは自分がいま欲しいもの、大切だと思うものを100個、紙に書き出してみてください。
とは言っても、おそらくだいたいの人は自分の欲求に無自覚なので、いきなり100個の欲しいものと言われても、羅列(られつ)するのは難しいと思います。
でもそこは神経質になりすぎずに、そこそこ欲しいなと思ったぐらいのものでも書き出してみる。そしてちょっと書き出せたら、なるべく細かなディティールまで記入していく。
たとえば、彼女が欲しいなら、ただ「彼女」じゃなく「どんな彼女」がいいのか。「新居」だったら築年数から場所まで具体的に。
その他にもなりたい職業、やっていきたいこと、読みたい本のタイトル、服は何着欲しいのか、あれが食べたい等々、ものはもちろん、物欲だけじゃないあらゆる自分の中の欲求をとにかく書き出してみてください。
ちなみに、「欲しいものなんてないな〜」という人も、たとえばいま使っているスマホがなくなったら嫌じゃないですか?
欲求はこれから手に入れたいものだけじゃなく、「いま持っていて手放したくないもの」「こういう状態は嫌だ」というのも含んでいるのです。
だから、いま住んでる部屋やバッグに入っているものを見直して、「これがなくなったら嫌だな〜」というものや、いまの生活の中で「これを続けるの嫌だ!(だからこれをしなくていい生活が欲しい)」っていうものもリストに入れてみてください。
実際、いままで好きなときに自由に外出できたのに、今日からいきなり「はい自粛(じしゅく)! ステイホーム!」って言われて苦痛だった人も多いですよね?
僕だってもし大好きなお風呂に入れず、「しばらくシャワーだけな」って言われたら精神が相当やられると思います。だから、生活スタイルなんかも含めてリスト化する。
こうやって、まずは自分の無意識下にある欲求を自覚していくんです。
このように自分の持ち物や習慣、欲求の中から「これ、あったほうがいいなー」と思うものを書き出して改めて眺めてみると、自分の理想の生活が浮かんでくるはずです。
と同時に、欲しいと思っていたけどそれほど優先順位が高くないものが見えたり、逆に絶対に欲しくないもの(やりたくないこと)が見えてきて、「自分は最低限、何をあきらめたくないのか」もおのずと気づいてくるようになるでしょう。そこまでリスト化できたら、その中で自分が外せないと思う現時点でのナンバーワンを決めてみてください。
それは、あなたの中の100個の大切なものの中で一番守りたいもの。人生において自分がもっとも大事にしている1個。何をあきらめたとしても絶対にあきらめたくないものです。 そして、その「一番大事なもの1つ」だけは絶対に何があってもあきらめないために、残りの99個をあきらめるための戦略を練っていく、というわけなのです。