自殺が発生している部屋数の割合はなんと…
1R、一棟の両方にある経営的リスクとして避けては通れないのが、事件や事故です。自殺、孤独死、殺人事件……。所有物件が事故物件になるリスクをゼロにすることはできません。5000室ほどを運営する管理会社の話によれば、おおよそ1000室に1件程度の割合で自殺が発生しているということです。
事故物件については、「宅地建物取引業」という法律で、「事前にそれを告知する義務がある」と定められ、隠せば法律違反になります。告知義務期間はおおよそ2年とされていますが、事故後に1人でも別の住人が入居したという実績があれば、以降の契約時には告知する必要がないとされるケースも出ています。
こうしたリスクにどう対応すればいいかについても、触れておきます。現在では、事故物件でもいいからとにかく安い家に住みたいというニーズもあり、相場以下の家賃で貸し出せば入居が付くこともあります。また近年注目を集めている高齢者の孤独死については、早期発見であれば自然死とされ、告知義務はありません。細やかに管理していれば、発見が遅れるというリスクを減らすことも可能です。
入居者死亡用の「自殺特約付き家財保険」といった保険商品も存在します。居室内で入居者が亡くなった場合、原状回復をする費用のみならず、発見が遅れて臭気が染みついてしまって次の募集ができないというようなことが起きても、最大6カ月まで家賃保証をしてくれます。これらの対策を取った上で、人気のない一階の部屋をあえて高齢者向けに貸し出すという方法をとる投資家もいます。
■「物件の施工会社」を見れば、デベロッパーの質が分かる
さて、投資家は新築デベロッパーの良し悪しを、どこで見分ければいいのか。実はその見極めは、なかなか難しくなっています。私自身も投資家として活動していますが、個人的に最も注目するのは、建物がしっかりしているかです。
儲けばかり追求する業者は、とにかく建設費を安く抑えようとします。悪質なワンルーム業者の建物などは、おおよそ信じられないくらい粗悪であり、築数年で一気に古びてしまいます。具体的には、壁が結露したり、タイルがひび割れたり、水漏れがしたりというようなトラブルがすぐに起きてくるのです。