※写真はイメージです/PIXTA

「かぼちゃの馬車」事件で不動産投資ブーム、終結。ウィステリア・グループ株式会社の代表である藤本好二氏は、書籍『不動産投資業者のリアル』(幻冬舎MC)にて、新築1R業者・客付仲介会社・管理会社・買取販売会社をはじめ、ブームの陰で暗躍していた「極悪な業者」の実態を大暴露している。

「1R」と「一棟」あえてデメリットを声高に言うと…

■「不動産投資のデメリットやリスク」を理解しておく

 

では、そもそも投資対象としては、どう考えるべきか。新築デベロッパーが主に扱う、「1R」と「一棟」に分けて、考えていきたいと思います。

 

1Rに関しては少額から始められ、購入後の管理にも手間がかからないということで、不動産投資の経験がない人が最初に手を出しやすい物件であるといえるでしょう。ただ、購入から運用までのプロセスは、1Rも一棟も変わりません。物件を探して買いつける、融資を申し込む、決済をする、入居者募集を行う、管理運営をする、という流れは一緒です。同じ手間をかけるのであれば、一度でより大きな収益につながる一棟を購入したほうが効率的であるといえます。

 

投資に関するメリットとデメリットに関して、メリットは大きな声で業者が宣伝しており、ここであえて強調する必要はないと思いますから、あえてデメリットを比較していきます。

 

1Rのデメリットとしてまず挙げられるのは、競争力が弱いということです。投資用1Rはほぼ規格が決まっています。狭ければ10㎡から20㎡足らずという狭小物件が多く、洗面所・バス・トイレが一体となった3点ユニットが主流です。同じような物件が多数あるため、たとえリフォームをしたところで、その狭さでは競争力のある物件に仕立てるのは難しくなっています。

 

管理コストが割高なのも、マイナス点です。管理費・修繕費として月々1万~2万円のコストがかかることが多く、一棟に比べ負担割合が大きくなっています。1部屋だけ所有するわけですから、そこに入居者がいない間、収入はゼロ。月々のローンはすべて自分の持ち出しとなる可能性があります。

 

1Rでも融資を組むことができますが、規模が小さいためメガバンクはまず手を出しません。借入先は高金利のノンバンクになることがほとんどで、金利が高い分、収益性は低くなります。

 

一棟のデメリットとして考えられるのが、現状回復や大規模修繕等のコストです。複数戸まとめて退去することなどがあれば、現状回復費がまとまってかかり、収益を圧迫することもあります。同様に、経年劣化による大規模修繕でも、まとまったお金が出て行きます。リアルな話としては、やはり資金にそれなりの余裕がなければ、一棟への投資は難しいかもしれません。

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不動産投資業者のリアル

不動産投資業者のリアル

藤本 好二

幻冬舎メディアコンサルティング

「かぼちゃの馬車」事件で不動産投資ブーム、終結。 新築1R業者、客付仲介会社、管理会社、買取販売会社。ブームの陰で暗躍していた「極悪な業者」の実態を大暴露。

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