2014年末で全国のマンションストックは約613万戸であり、総住宅数の1割以上を占めます。以下の図表1のグラフを見ると、新規供給戸数は経済状況などによって推移しているものの、ストックの数は右肩上がりに増加していることが分かります。
[図表1]全国のマンションストック戸数
こうした「マンションが余っている」理由には、新設着工戸数の勢いが止まらないこともありますが、現状のストックを積極的に活かせていないことや、取り壊すべき建物がそのまま残っていることも関係しています。
空き家は所有者の判断一つで解体の選択もできますが、マンションなどの集合住宅は解体に莫大な費用がかかるうえ、特に分譲の場合は区分所有者の合意が集まらないと何もできません。その意味でマンションは「不良ストック化しやすい」建物なのです。
マンションの最悪の結末「スラム化」
空き家が地域に悪影響を及ぼすように、空き室の増加はマンションのスラム化を引き起こします。またさまざまな理由で建て替えが進まず耐震工事も行えずにいると、万一の事態が起こったとき命に危険を及ぼしかねません。