孤独に暮らす男性が、病気で困っていたときに手を差し伸べてくれた同僚と義理の甥のやさしさに感激…。住む場所も知らない疎遠な姪ではなく、尽くしてくれた他人に遺産を渡すにはどうしたらいいのでしょうか。実際の相談事例を見ていきましょう。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。

他人への遺贈を実現するには「事前の根回し」も重要

相続人でない人に自分の財産を遺贈する場合は、遺贈したい人の住民票が必要です。一方的に書き残しておくよりも、事前にT中さんやW辺さんに自分の意思を伝えて了解をもらっておくほうがスムーズなのです。T中さんとW辺さんにそのようにお伝えするようアドバイスしたところ、快く受けてもらうことができ、住民票もすぐ用意してくれました。

 

E藤さんは願っていた通りの遺言書を作成することができました。遺言執行もW辺さんが引き受けてくれることになり、E藤さんの不安は解消しました。

 

どこに住んでいるのわからない疎遠な姪たちより、身近で支えてくれた親しい人に財産を渡すことができるのはとても幸せなことだと、手続き完了後、E藤さんは穏やかな笑顔を見せてくれました。

 

今回のケースでポイントとなったのは、以下の3点です。

 

●相続人の姪とは連絡先もわからないくらい疎遠

●遺言を用意しておかないと、財産を相続人以外の人に渡すことができない

●財産だけでなく、葬儀やお墓のことが不安

 

遺贈する旨の遺言をひとりで決めて、ひとりで作成しておくだけでは十分ではありません。希望通りの結果を実現するには、受贈者へ事前に意思を伝えておき、了解をしてもらうことが大切です。なによりそのほうがスムーズですし、また、自分でも生前に先方の意思確認ができるため、安心なのです。

 

※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

 

曽根 惠子

株式会社夢相続代表取締役

公認不動産コンサルティングマスター

相続対策専門士

 

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    本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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