「サラリーマン+個人事業主」のダブルワークから
キャッシュフロー・クワドラントとは、『金持ち父さん貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ著、2000年、筑摩書房)でロバート・キヨサキ氏が提唱した概念です。
キヨサキ氏によると、「収入経路をたどると、世の中のすべての職業は、4つに分けられる」と言います。それが、
・サラリーマン=Employee (Eクワドラント)
・個人事業主=Self Employed (Sクワドラント)
・ビジネスオーナー=Business Owner (Bクワドラント)
・投資家=Investor (Iクワドラント)
…です。
クワドラント図をご覧いただくとおわかりのように、E(サラリーマン)とS(個人事業主)は向かって左側に、B(ビジネスオーナー)とI(投資家)は向かって右側に配置されています。
実は、これは「何をお金に換えているのか?」ということを表しています。左側の2つは、自分の労働をお金に換える職業であり、右側は、お金をビジネスや投資につぎ込むことで、お金を増やそうとする職業、ということになります。
左側のE(サラリーマン)とS(個人事業主)は、労働をお金に換える際に、必ず消費するものがあります。“自分の時間”です。自分の時間を使うということは、「時間が収入の制約条件になる」ことを意味します。
どうして副業をする際に、時間と時給が重要なのかが、もう、おわかりですね? 限られた時間を使って副業をする以上、時間単価を意識した活動に繋げない限り、労働時間を増やすことしか選択肢がなくなってしまうからです。クワドラントの知識がないまま副業を始めて、安い時給の仕事で収入を増やそうとすれば、必然的に働き過ぎてしまうことになるのです。
一方、右側のB(ビジネスオーナー)とI(投資家)は、お金が回っている限り、理論上はアッパーがありません。ただし、代わりにお金を失うリスクを負うことになります。
もちろん、この2つも副業にすることは可能ですが、本連載では「E+S→I(+B)」…の順番で取り組むことをお勧めします。「どのクワドラントを選ぶか?」という見方ではなく、これからの時代は2つ以上を組み合わせて動く、「ハイブリッド・クワドラント」を前提に考えていきます。