近年、「副業」が世間の高い関心を集めている。不景気で実収入の減少に加え、増税も後押しし、ますます家計を圧迫する現状が続く。自身も多数の副業を手掛ける俣野成敏氏が、将来に不安を感じるすべてのサラリーマンに「副業」のメソッドを紹介する。本連載は俣野成敏著『サラリーマンを「副業」にしよう』(プレジデント社)から一部を抜粋した原稿です。

「もう一つの名刺」で自分のビジネスを表現

以前の記事で、初めに開業届を出し、副業が事業として認められれば、サラリーマンは損益通算を受けられる、というお話をしました。それ以外にやっておくべきこととしては、「名刺」「請求書」「メニュー表」の3つを作成しておくことをオススメします。以下で、順に補足しましょう。

 

もともと、名刺を作成する目的とは、相手に自分のことを知ってもらい、かつ覚えてもらうためです。それを踏まえた上で、サラリーマンが個人名刺をつくる場合、重要なのは「名刺に何を書くか?」ということです。

 

「自分はどんな経歴を持っているのか?」

「何を経験してきたのか?」

「何ができるのか?」

「どのような価値をもたらすことができるのか?」

 

これらを考えること自体が、自己分析をしたり、副業を熟考するプロセスとして大切な時間となります。  

 

個人事業主とは、いわばこれからブランドを築いていく身ですから、第一歩として、「名刺という限られたスペースの中で、自分をどう表現するか?」が大事なわけです。名刺の中に、自分のビジネスを表現できれば、個人事業主を行っていく上での、大きな武器を手に入れたことになります。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

個人名刺を作成する際の注意点としては、サラリーマンの名刺と完全に切り分けること。その上で、自分の価値を上げていくことに集中してください。具体的には、実績を積み重ねることです。実績を積んだら、それを名刺に反映させます。名刺とは、常に更新していくべき

ものです。

「代金」を受け取ることを怖がらない

続いては、請求書についてです。仮に、顧客が一人もいなかったとしても、まずは請求書フォームだけでもつくっておきましょう。

 

俣野成敏著『サラリーマンを「副業」にしよう』(プレジデント社)
俣野成敏著『サラリーマンを「副業」にしよう』(プレジデント社)

「なんで請求書フォームをつくっておく必要があるの?」と思われるかもしれませんが、その理由は「代金を受け取れるようにするため」です。「代金を受け取る」というのは、ビジネスをする中で、もっとも大切なことです。

 

ところが、サラリーマンにとって、ここが最後まで心理的なハードルになることが多いのが実情です。普段、サラリーマンは自動的に銀行口座にお金が振り込まれるため、「他人から代金を受け取る」という経験がほとんどありません。

 

一部の仕事を除き、ほとんどのサラリーマンは、固定給が毎月入ってくるせいか、他人からお金を受け取るのが申し訳ないと思ってしまう人が多くいます。そのため、副業では、「無料お試しキャンペーン」を永遠に続けてしまう人が、意外に多いのです。

 

一方、デキるビジネスパーソンは、お金の受け取り方も上手です。サラリーマンが、代金を受け取ることに対する恐怖を克服する、という意味でも、最初の段階で、請求書フォームをつくっておくことをオススメいたします。

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サラリーマンを「副業」にしよう

サラリーマンを「副業」にしよう

俣野 成敏

プレジデント社

「老後2000万円問題」「働き方改革」「残業規制」…等々。政府も会社も「自助努力でなんとか生きよ」と突き放す中、コロナ・ショックによる「リストラ」が、さらに追い討ちをかけています。一方で、自己責任の名のもとに「副業…

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