「とりあえず一軒だけでも!」を鵜呑みにした末路は…
業者は、「とりあえず一軒だけでも建ててください」と懇願してくるでしょう。しかし、収益性のない物件は、建ててしまえばそれだけでおしまいです。そして、目的を達成した業者は、後は野となれ山となれ、二度と足を運んでくることはありません。建てる前までは、あれほど熱心に、毎日のように、うやうやしげな笑みを浮かべてやってきたのに…。
また、業者の中には、「ひと月〇万円の賃料収入を30年間保証します」と家賃保証を盛大にアピールする者もいます。「それなら確実に家賃が入ってくるから、安心だ」と思うかもしれません。
しかし、契約書をよくみてみましょう。ほとんどの場合、小さな文字で目立たないように「2年ごとに賃料を改定します」「極端な経済的事情の変更によって賃料を見直します」などというように、当初の家賃保証の約束を反故にする内容の条項が記されています。
実際、何十年も同じ賃料で家賃を保証してくれることにばかり目が行き、契約書をろくろく確認せずに契約をしてしまう人は少なくありません。しかし、空室が増えれば、業者側は家賃保証の負担に耐えられなくなります。そうなれば、契約書をたてにして、一方的に保証している賃料の額を下げるよう求めてくるのです。
それに応じないのであれば、家賃保証の契約を解除されるかもしれません。「家賃保証があるから建てたのに!」と抗議しても後の祭りです。
すでに家賃保証のマンション、アパートをお持ちの方は、たまにはその物件の入居状況を確認してください。空室が思ったよりも多い場合には、家賃保証の契約の解除という話が来る前に、その建築業者(管理会社)に対応策を練るようにしてください。
■脱税指南をするコンサルタントには絶対に耳を貸すな
相続ビジネスを手がける業者の中には、半ば脱税指南をするような経営コンサルタントと手を組んでいる者もいます。
たとえば建築業者の中には、「サービス」の一環としてそうしたコンサルタントを連れてくる者もいます。紹介されたコンサルタントはさも自信たっぷりと、「〇をすれば、相続税を払わないですみます」などと税金逃れの手口をアドバイスしてくるでしょうが、絶対に耳を貸してはいけません。