追徴税額「約1億5000万円」実際にあった事件は…
相続税の脱税に関して税務当局は、昔から非常に厳格な態度で臨んでいます。
以前、東京国税局が、日本画家の故平山郁夫氏の妻が、相続財産から約2億円を除外して申告したとして、遺産隠しを摘発したことが話題になりました。重加算税などを含めた相続税の追徴税額は約1億5000万円といわれていますが、摘発されているのはこのような有名人だけではありません。申告漏れのペナルティーとして重加算税が課されている件数は毎年1000件を超えています。
このように、税務署は、相続税の申告漏れに対して常に目を光らせているのです。税務のプロがしょせんは素人にすぎないコンサルタントの手口に欺かれることなど絶対にありません。まず間違いなく、見破られてしまいます。
特に知っておいてほしいのは、そのようなコンサルタントにかかわること自体が、税務当局に目をつけられることにつながりかねないということです。
コンサルタントが指南した脱税が1件でも摘発されれば、その他のクライアントに対しても芋づる式に税務調査が入ります。そうなれば、仮に自身は脱税していないとしても、税務署からは「脱税容疑者」とみなされ厳しい追及を受けることは間違いありません。
土田 士朗
税理士法人土田会計事務所