米国西部・南部の感染は経済・市場を左右

投資のプロフェッショナルである機関投資家からも評判のピクテ投信投資顧問株式会社、DEEP INSIGHT。日々のマーケット情報や政治動向を専門家が読み解き、深く分析・解説します。

 

新型コロナウイルス禍が米国西部・南部の主要州で拡大している。カリフォルニア、フロリダ、テキサス、アリゾナの4州が特に懸念されるのは、経済規模が大きく、感染者が急増しているからだ。テキサス、フロリダは、共和党の知事が経済活動再開の一時停止に追い込まれた。これらの州の感染状況は、米国の政治・経済に大きな影響を及ぼす可能性があり注目される。

米国の感染:「第2波」ではなく「第1波」

新型コロナウイルスは、震源地である中国、一時は医療崩壊に陥った欧州主要国、そして北東アジアの日本、韓国では第1波が収束した模様だ。一方、米国及び新興国において、感染が急速に拡大している。アンソニー・ファウチ米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)所長が指摘するように、米国の状況は感染第2波ではなく、第1波が続いていると考えるべきだろう。理由は、ニューヨークなど北東部から始まった米国の新型コロナウイルスの感染が、西部、南部へと広がり、国全体としては収束することなく感染者が増加しているからだ。

 

トランプ大統領は、4月17日、各州がロックダウンを解除するうえでのガイドラインを発表した。これに従い、共和党の知事を中心に経済活動再開への舵が切られ、経済指標は改善しているが、感染抑止に関しては裏目に出た感が強い。

 

特に深刻な状況にあるのが、テキサス、フロリダ、アリゾナなど南部、西部の主要州である(図表1)。早い段階で州境を封鎖、感染の抑制に成功したといわれたカリフォルニアも感染者が急増している。一部の都市で集中治療室(ICU)の収容能力が限界に近づいたことなどから、テキサス、フロリダ両州ではグレッグ・アボット、ロン・デンサンティス両知事が経済活動再開の一時中止に追い込まれた。

市場変動要因:流動性からイベントへシフト

米国の州別GDPウェートを見ると、カリフォルニアは14.6%を占め、テキサスの8.8%が続く(図表2)。フロリダは4番目で5.1%だ。これにアリゾナを加えると、米国全体の経済規模の30.2%に達する。

ピクテ投信投資顧問株式会社 シニア・フェロー

日系証券の系列投信会社でファンドマネージャーなどを経て、1994年以降、フランス系、スイス系2つの証券にてストラテジスト。この間、内閣官房構造改革特区評価委員、規制・制度改革推進委員会委員、行政刷新会議事業仕分け評価者など公職を多数歴任。
著書に『政策論争のデタラメ』、『中国のジレンマ 日米のリスク』(いずれも新潮社)、『あなたはアベノミクスで幸せになれるか?』(日本経済新聞出版社)など。
2011年6月よりテレビ東京『ワールドビジネスサテライト(WBS)』レギュラー・コメンテーター。

著者紹介

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

著者紹介

連載PICTETマーケットレポート・Deep Insight

【ご注意】
●当レポートはピクテ投信投資顧問株式会社が作成したものであり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。当レポートに基づいて取られた投資行動の結果については、ピクテ投信投資顧問株式会社、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当レポートに記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当レポートは信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当レポート中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。
●当レポートに掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧