急増する「マンション墓」を安易に選んではいけない理由

新型コロナウイルスの感染拡大によって景気後退が叫ばれ、先行き不透明感が増すなか、日本経済はどうなるか、不動産はどう動くのかに注目が集まっている。本連載は、多くの現場に立ち会ってきた「不動産のプロ」である牧野知弘氏の著書『不動産で知る日本のこれから』(祥伝社新書)より一部を抜粋し、不動産を通して日本経済を知るヒントをお届けします。

高齢化社会ニッポンは年間40万人の純減

毎年、お盆の季節はふるさとに帰省する客で鉄道や飛行機、高速道路などが混雑する光景が「お決まり」の映像としてメディアを賑わせる。

 

お盆のそもそもの目的は、先祖のお墓にお参りして、その霊をなぐさめるところにある。帰省客のどれだけが、実際に墓参りを行なっているかはわからない。どちらかといえば地方出身者は、墓参りとは別に、親戚への挨拶や卒業した学校の同級生が集まって、互いの状況を語り合う場になっているのが実態かもしれない。

 

理由はともあれ、人間誰しもが亡くなれば入居するのが墓である。

 

今後、死者の激増は社会にさまざまな問題を投げかけてくる。
今後、死者の激増は社会にさまざまな問題を投げかけてくる。

 

日本の人口は、2015年の国勢調査で初めて減少に向かっていることが発表された。人口が減少する理由は、生まれる赤ちゃんの数より亡くなる人の数が多い、つまり「人口の自然減」の状態に日本があることを示している。

 

2017年の出生数は94万1000人だったのに対して、死亡者数は134万4000人。なんと日本は、人口の自然増減においては年間で40万人もの純減を記録している。

 

実際の日本の総人口は22万人ほどの減少と発表されているが、この差は在留外国人の数が急激に伸びているからである。今や日本の人口減を一生懸命外国人在留者の伸びという「社会増」で補っているというのが現代日本の姿なのである。

 

さて、日本は高齢化社会に突入したといわれているが、この影響は今後死亡者数の激増という形で社会にさまざまな問題を投げかけてくる。1966年(昭和41年)の日本の死亡者数は67万人と戦後最低を記録している。当時の日本は、戦後生まれの男女が世の中を闊歩する若々しい社会だったのだ。

 

それがこの50年間で、死亡者数は倍増したことになる。医療施設が整い、高齢者施設が数多く建設され、長寿社会が実現したとはいえ、人間、いつかは死ぬ。そしてこれからの日本は「死ぬ」可能性の高い人が激増する状況にあるのだ。

オラガ総研 株式会社 代表取締役

1959年、アメリカ生まれ。東京大学経済学部卒。ボストンコンサルティンググループを経て、三井不動産に勤務。2006年、J-REIT(不動産投資信託)の日本コマーシャル投資法人を上場。現在は、オラガ総研株式会社代表取締役としてホテルや不動産のアドバイザリーのほか、市場調査や講演活動を展開。主な著書に『空き家問題』『民泊ビジネス』『業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊』など多数。

著者紹介

連載不動産の動きを観察すれば、日本経済がわかる

不動産で知る日本のこれから

不動産で知る日本のこれから

牧野 知弘

祥伝社新書

極地的な上昇を示す地域がある一方で、地方の地価は下がり続けている。高倍率で瞬時に売れるマンションがある一方で、金を出さねば売れない物件もある。いったい日本はどうなっているのか。 「不動産のプロ」であり、多くの…

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