「食後の眠気」の原因は低血糖です。高血糖に比べ危険視されることがない低血糖ですが、慢性化すると脳にダメージが蓄積され、脳や神経系が委縮して認知症を引き起こす恐れがあります。低血糖を防ぐには、どうすればよいのでしょうか。※本連載は、千代田国際クリニックの院長である永田勝太郎氏の著書『「血糖値スパイク」が万病をつくる!』(ビジネス社)より一部を抜粋・編集し、医師さえ知らない「低血糖」の危険性を科学的に解説します。
「欠食」や「栄養不足」は脳委縮の原因
脳は、その活動に大量のエネルギーを使います。しかも、それはブドウ糖(グルコース)に限られています。要するに、脳は大飯食いで、しかも偏食(ブドウ糖のみなので、美食家というべきでしょうか)なのです。一部、ケトン体(脂質の燃えカス)もエネルギー源にできますが、それは、十分なグルコースが生体内にない場合の、臨時のエネルギー源でしかありません。
脳は、腎臓、心臓に次いで、3番目にエネルギーを使います。お米に換算すると、1日に大人の茶碗2膳分くらいのエネルギーを消費します。脳の重量は体重の2%しかないのに、ヒトのエネルギーの20%を消費します。
ですから、食事をとらなかったりすると脳が栄養失調状態になり、長年のうちには脳が萎縮してしまいます。脳の健康のためにも、食事はしっかりとってください。
永田 勝太郎
千代田国際クリニック 院長
医学博士
千代田国際クリニック 院長
医学博士
1948年、千葉県生まれ。慶應義塾大学経済学部中退後、福島県立医科大学卒業。千葉大学内科、東邦大学麻酔科助手、浜松医科大学付属病院心療内科長、日本薬科大学統合医療教育センター教授・センター長を経て、現職。
役職は、(公財)国際全人医療研究所 代表理事、リヒテンシュタイン国際学術大学院大学 ビクトールフランクル講座 名誉教授、日本実存療法学会 理事長、日本疼痛心身医学会 理事長など。
専門は、全人的医療学、慢性疼痛学、血行動態学、東洋医学、実存分析学、酸化バランス防御系など。
千代田国際クリニック:https://www.ciclinic.net/
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