株式投資初心者が意外と見落としがちな株式取引のルールに、売買の成立方法があります。成行買いを出す人もいれば、必ず指値で売買する人もいます。売買株数が少ないうちは良いのですが、枚数が大きくなると売買が不成立になり、思うような売買ができなくなることもあります。そこで意外と知られていない「株式売買の成立の仕組み」についてみていきましょう。※本連載では、AI技術を用いた株価予測ソフトを開発する、株式会社ソーシャルインベストメントでトレーダーとして活躍する川合一啓氏が、個人投資家が株式市場で勝ち続けていくための極意について説明していきます。

ザラ場の売買は「オークション方式」

株価の決まり方にはいくつか種類があります。そのなかでも、場中に株価変動を起こしやすいものはオークション方式です。ここでは、オークション方式がザラ場の価格形成に影響を与える流れについて解説します。

 

オークション方式では、[図表1]のように現在値(100円)に注文がない場合、次の約定次第で株価の動向を勢いづけることにもなります。まず、現在値が100円で、板に注文がないとき、次の注文が100円の指値注文で成立すれば価格は動きません。これを売買している人たちの心理で表現すれば、100円以上で買いたくないし、100円以下で売りたくもないということです。

 

これに対して[図表2]のように、成行買い注文もしくは101円の指値買い注文が入るとします。この場合、現在値(100円)より高くてもその株が欲しいという、意思表示と取れます。このため、他の参加者は株価が上がってしまう前に購入したいという気持ちにかられ、高値で注文を出してきます。つまり、みんなが欲しがるので株価が吊り上がっていくのです。

 

[図表2]株式売買…板の例・その2

 

これはオークションと同じ原理です。株価が上がる場合、この流れで約定が積みあがっていきます。さらに買い意欲が強くなると、逆指値買い注文を出していても、板の価格が飛ぶほどの大量の買い注文が入り、売買不成立になります。株の売買では、このオークション方式で価格の上下が決まることが多いのです。

 

自分の欲しい価格で買うためには、時間優先の原則とオークション方式を頭に入れて、効率的に約定できるように注文を出しましょう。

次ページストップ高では「売買不成立」の可能性も?

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