ザラ場の売買は「オークション方式」
株価の決まり方にはいくつか種類があります。そのなかでも、場中に株価変動を起こしやすいものはオークション方式です。ここでは、オークション方式がザラ場の価格形成に影響を与える流れについて解説します。
オークション方式では、[図表1]のように現在値(100円)に注文がない場合、次の約定次第で株価の動向を勢いづけることにもなります。まず、現在値が100円で、板に注文がないとき、次の注文が100円の指値注文で成立すれば価格は動きません。これを売買している人たちの心理で表現すれば、100円以上で買いたくないし、100円以下で売りたくもないということです。
これに対して[図表2]のように、成行買い注文もしくは101円の指値買い注文が入るとします。この場合、現在値(100円)より高くてもその株が欲しいという、意思表示と取れます。このため、他の参加者は株価が上がってしまう前に購入したいという気持ちにかられ、高値で注文を出してきます。つまり、みんなが欲しがるので株価が吊り上がっていくのです。
これはオークションと同じ原理です。株価が上がる場合、この流れで約定が積みあがっていきます。さらに買い意欲が強くなると、逆指値買い注文を出していても、板の価格が飛ぶほどの大量の買い注文が入り、売買不成立になります。株の売買では、このオークション方式で価格の上下が決まることが多いのです。
自分の欲しい価格で買うためには、時間優先の原則とオークション方式を頭に入れて、効率的に約定できるように注文を出しましょう。