株式投資の「運用利回り」と「利率」の違いは?
株式投資は10万円の資金が準備できれば始められます。しかし、株式投資において生活資金を投資に回す行為は避けるべきです。ましては今後支給が予定されている給付金を使うなど論外。投資には必ず利益と損失が発生します。生活資金を使って株式投資を行ったことで元本を大きく失うような損失を出してしまった場合には目も当てられません。
だからこそ、株式投資は生活資金以外にある余剰資金で行うべきです。生活に影響のない余剰資金の3割程度がベストです。では株式投資の運用利回りで生活費は補えるのでしょうか。
そもそも株式投資は定期貯金よりも大きな運用利回りを期待することができます。株式投資の平均利回りは年間で5%前後と言われ、中長期間の運用であれば平均に近い4%~7%前後が目安になります。また株式投資で得られる配当金の利率は東証一部で平均2.61%、東証二部の平均は1.66%です。株式投資で得られる運用利回りと利率の計算方法をわかりやすく解説します。
■株式投資の「運用利回りの計算方法」
株式投資の利回りには株の売却で得られるキャピタルゲイン(売買差益)と企業が定めた決算期に受け取れるインカムゲイン(配当金)の2種類があります。この2つの利益を年間で合計した額が株式投資の年間利益です。
・年間利益=キャピタルゲイン(売買差益)+インカムゲイン(配当金)
・株式投資の年間利回り=年間の利益÷投資元本×100
■株式投資で得られる「配当金の利率計算方法」
株式投資で用いられる「利回り」と「利率」には大きな違いがあります。主に利回りは総合的な利益率に用いられ、利率は株式投資で得られる配当金の利益の割合を指します。
たとえば100万円で年間運用して5万円の配当金が得られる場合、利率の計算方法で求めると5%になります。
株式投資で得られる「3種類の利益」とは?
株式投資で得られる3種類の利益には売買差益であるキャピタルゲインと配当金、株主優待になります。これらは全て異なった利益で受け取り方も様々です。3種類の利益の違いを見ていきましょう。
■キャピタルゲイン(売買差益)
キャピタルゲインは売買差益とも呼ばれ株の売買で得られた利益を指します。また株の売却で得られる売却益や譲渡益とも呼ばれ、手数料を差し引いた金額になります。このキャピタルゲインは年間を通じて何度でも株の売買で得ることが可能です。
■インカムゲイン(配当金)
インカムゲインは中間や期末など企業が定めた決算期に得られる配当金を指します。株銘柄によっては年2回など複数回に渡り配当金を得ることができます。配当金は企業の業績により増配や減配になる場合があります。
■株主優待
株主優待は上場企業により様々な特典やメリットが用意され、多くの株主が魅力を感じている制度です。株主優待には割引券や商品などが用意され、株主は投資金額に対してどれだけ利益に繋がるか考えています。この考え方を優待利回りと呼び、数値が高いほどお得です。
これら3つの利益を知ることで得られる株式投資の運用利回りが把握することができます。
運用スタイルに合わせた目標利回りと複利の活用術
株式投資は自分で運用スタイルを決める必要があります。運用スタイルとは目的に合った利回りや期間を決め、株の銘柄を選んでいく方法です。株式投資の初心者は年間運用利回りが1%や5%と聞いても良いのか判断することができません。そこで具体例として、株式投資の利回りと主要大手銀行の利率を比較してみましょう。
・株式投資で得られる配当利回り平均2.61%の銘柄に100万円を投資
100万円×2.61%=約2万円
・株式投資で得られる年間平均利回り5%の銘柄に100万円を投資
100万円×5%=5万円
年間2万円~5万円程度の運用利回りが得られる計算になります。
・主要大手銀行の預金金利0.01%の定期預金に100万円預けた場合
100万円×0.01%=100円
同じ100万円の運用でも株式投資と銀行の定期預金では大きな差が生じます。また、株式投資の年間利回りは単利で計算されていますが、複利を活用した株式投資を行うことで、さらに効果的に利益を生み出すことは可能です。
■まとめ
このように、投資資金と運用スタイルによっては生活費を補えるだけの利益を得られる可能性は十分にあります。しかしインカムゲイン(配当金)と株主優待にはそれなりの資金とそれなりの時間が必要ですから、資金と時間をかけずに収益を期待するのであればキャピタルゲイン(売買差益)でのデイトレード投資スタイルで臨むのがよいでしょう。