本記事では、収益物件の売買や仲介事業を展開する株式会社BRAVEの代表取締役・山部和孝氏が、同業だからこそ見えてくる不動産投資の実態について、投資家から寄せられた意見を取り上げながら解説していく。 ※本連載は、『投資会社トップが激白!業者が「投資家を騙す」30のワード 不動産業者のハナシは信用するな』(クロスメディア・パブリッシング)より一部を抜粋・編集したものです。

この事件ははじめ「この土地を担保に10億円融資できないか?」と遠く離れた大阪の業者にまで勧誘があった。事実、俺のところにも話が来たくらいだから。

 

ここで少しでも危機管理能力がある人間なら「無担保の土地ならまず銀行がお金を貸すでしょ?」と疑問が浮かぶはずだ。どんな投資話も事実であれば金融機関が資金を貸す。詐欺っぽいから金融機関が金を貸さない。それが自然である。

 

また、これは実際にあった話だが、ある繁華街に近い一等地で突如、店舗兼住宅が崩壊したことがあった。行政は所有者が不明ということで、ただ右往左往するばかり。でも、その周囲を自分で歩き、出会ったご近所の方と話をしていたら、かつての所有者の名前が出てきたのだ。結局は自分の足で歩き、調べることが大事なのだ。

「中心地が最も大事、郊外は後回し」は自然の摂理

もう一点、これは世界共通だが、街の中心地というものは、よほどのこと(原発事故とか、ひどい戦災を受けたとか)がない限りはいつの時代も守られる。たとえ地震で地割れが発生しようとも、まず中心地の復興からスタートとなる。なぜなら、中心地は常に人が集まり、経済活動をし、お金を生み出す。そして郊外は後回し。これは大多数の方を向く日本の民主主義下では当然のことだ。

 

そうなると、郊外を買うという選択肢はなくなる。その街や土地に愛着があるのなら仕方ないが、中心地の土地は未来永劫に誰かが欲しいと思うし需要がある場所(土地)だから、手に入れられる機会がもしあるなら、見逃してはならない。そうやって価値をお金に換え(入口)、時が来たらその価値を換金する(出口)のが不動産投資だ。

 

話を元に戻すが、商業施設また工場、大学などに近い立地に限っては、短期間での転売ならアリだ。別に家賃収入を得ることが悪いということはないのだが、いずれは移転や撤退といったことが発生するかもしれないというリスクがあることは、頭の片隅におくべき。だから、物件を欲しがる人が現れたら、すぐに転売できるような心構えをしておく。こうした出口を想定したストーリーを、投資家は必ず頭に入れておきたい。

 

「決まり文句」の裏側
「決まり文句」の裏側

 

 

株式会社BRAVE 代表取締役

山部 和孝

 

不動産業者のハナシは信用するな

不動産業者のハナシは信用するな

山部 和孝

クロスメディア・パブリッシング(インプレス)

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