今回は、相続財産に含まれるものは何があるのかと、相続税の計算方法についてみていきます。 ※本連載は、不動産コンサルタントとして活躍し、自身も賃貸経営を行っている山口智輝氏の新刊で、2015年11月に刊行された『大家業を引き継ぐあなたへ』(セルバ出版)の中から一部を抜粋し、大家業の引き継ぎを成功させるノウハウなどをご紹介します。

相続から3年以内の贈与財産も相続財産に

前回に引き続き、大家業を引き継ぐ前に知っておくべき「相続の基本」を見ていきます。

まずは、相続財産に含まれるものを整理しましょう。

 

【一般的な相続財産】

●現金(タンス預金、貸金庫)

●預貯金(銀行、信用金庫、郵便局、農協)

●不動産(土地、建物)

●有価証券(株式、投資信託、小切手、手形、国債、社債、外国債等)

●経営する会社の自社株

●貸付金

●貴金属、宝石、骨董品、美術品、アンティーク家具

●権利(ゴルフ会員権、リゾート会員権、特許権、著作権等)

●動産(自動車、事業用重機、家財)

●相続3年以内の贈与財産

●相続税精算課税制度を選択した贈与財産


【みなし財産】

●死亡保険金(生命保険、共済金)

●死亡退職金

●生命保険契約に関する権利

 

【負の財産】

●借入金、未払金、葬儀費用

●その他

●保証債務(保証人になった借入金)

早見表を使った簡易計算の方法

次に、早見表を使った相続税の簡易計算の手順について見ていきます。

 

①法定相続人の把握

●法定相続人は誰?

●法定相続人は何人?

 

②課税遺産総額を把握

●不動産の遺産総額は?

●現預金、有価証券、受取り生命保険は?

 

③早見表を使って相続税額を計算

●法定相続人が法定相続分を相続した際の税額です。

●配偶者がいれば、配偶者の税額軽減の法定相続分を考慮した税額です。

 

【図表1 相続税早見表】

 

次は、例として遺産総額5億円、配偶者と子供2人の場合の計算を見ていきます。

 

遺産総額:5億円

相続人: 配偶者、子供2人

 

1. 課税遺産総額の計算

 

2.法定相続分どおり相続したとして、相続税の合計額を計算

【図表2 相続税の税率と控除額】

 

3.各相続人の相続税額を実際の配分に基づいて計算 

 

本連載は、2015年11月20日刊行の書籍『大家業を引き継ぐあなたへ』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

大家業を引き継ぐあなたへ

大家業を引き継ぐあなたへ

山口 智輝

セルバ出版

「この本は、大家業を引継ぐ2代目、3代目大家さんが、大家業を通じて明るい未来を描ける本です」 大都市を中心に、元々地主でない不動産大家、サラリーマン大家といった不動産投資家が増加しているが、地方では、元々地主の…

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