アインシュタイン博士曰く、「複利効果は人類最大の発明」

元々の元本に利息を加え、新しい元本として再投資していく「複利」。定期預金の継続を例に、単利・複利運用の選択の仕方および実際に複利運用が可能な金融商品について見ていきます。本記事は、一般社団法人日本つみたて投資協会代表理事の太田創氏が、長期投資成功のポイントを解説します。

利息が利息を生む「複利」は人類最大の発明⁉

「複利は人類による最大の発明だ。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う(“Compound interest is man’s greatest invention. He who understands it, earns it. He who doesn’t pays it.”)」。

 

この一言を残したのは、いったい誰でしょう。相当な金融のプロのようにも思えますが、ウォーレン・バフェットでもジョージ・ソロスでもありません。実は、相対性理論を発見したアルバート・アインシュタイン博士です。エネルギーの大きさは物質の質量に光速の2乗をかけたものに等しい(E=mc2)ことを発見した博士は、1916年にこの言葉を残したとのことですが、彼にとって複利効果は相対性理論を凌駕する大発見だったのかもしれません。これに気づいた時、博士はもっと若い頃から複利を知っていればよかった、と反省したのかもしれませんね(筆者には複利の利点よりも、その数式がいまだに謎です)。
 

出典:AZQUOTES
[図表]アインシュタイン博士も複利運用の効用を説いていた! 出典:AZQUOTES

単利か複利か?定期預金の継続について考えた場合

さて、複利は元々の元本に利息を加え、新しい元本として再投資していく仕組みです。それほど難しい概念ではありません。利息を利息としてもらい、再投資しない場合は単利です。単利の場合、利息が利息を生むことにはなりません。アインシュタイン博士でさえ複利は人類最大の発明と言っていることから、博士自身の資産形成はそれまでずっと単利運用だったのかもしれませんね。確かに単利と複利の違いなんて、普段は考えません。

 

単利か複利かの選択を迫られる筆者の身近な事例は、定期預金の継続です。筆者はインターネット専業銀行で取引していますが、定期預金の継続日には次の選択が与えられます。

 

(1)元本継続

(2)元利継続

(3)満期自動解約

 

たとえばご自身の定期預金を継続する際、この選択を正確に判断できるでしょうか。じつはコンマ以下%しか付利されない単純な定期預金の継続でも、結構頭を使うのです。

 

(1)は、元本だけ継続する定期預金です。例えば、100万円で1か月定期預金を組んで満期日になった際、元本の100万円のみ再度1か月定期預金で継続運用するものです。利息は普通預金に入金され、利息(税引後)が定期預金の元本に付加して継続運用されるわけではありません。いわゆる単利運用ですね。利息は再投資されません。

 

(2)は、満期到来した定期預金の元本と利息(税引後)を合算して、もう一度同じ期間で継続するものです。一応複利ですから問題ありませんが、自動継続後の運用期間によって金利は変わりますから、元利同期間継続したからといってその後の運用期間金利が最大というわけではありません(1か月金利の方が1年金利より高い場合がある!)。

 

(3)は、これらの選択の中で最も不利に思えますが、もし元利を再度定期預金にして、前回と同じかそれ以上の金利がつくのであれば悪い選択ではありません。もしその定期預金金利が“逆イールド”(期間が短い方が金利が高い)であれば、なるべく短期で継続再投資したほうが資金を長期間運用するよりも有利です。ただし、毎回手作業で定期預金を継続させるのは面倒です。

 

こうして考えると、定期預金はかなり複雑な金融商品になります。預けるのは簡単でも継続する際に条件が付いてくるのは、預金者にストレスがかかります。

長期投資で複利運用できる金融商品は「投資信託」

一方、預金以外の金融商品で複利運用が可能なものは意外と少ないのが実態です。筆者が知る限り、投資信託(資産成長型・無分配型)くらいしか見当たりません。株式でもできそうですが配当を同じ株式に再投資するのは投資金額によっては難しく、そもそも配当の有無は企業業績によるところが大きいです。最近注目されている金投資も、金にはもともと利息がありませんから再投資はできないですね。

 

消去法ではありませんが、結局元本と利息や配当の再投資を考えて、長期投資で複利運用するには投資信託(資産成長型・無分配型)くらいしか見当たりません。

 

もっとも、その投資信託もかなり長期的にプラスリターンが見込めるもの、という条件は付いてきます。具体的にどのようなファンドが投資対象になるかについては、次回以降のコラムでお話いたしますね。

 

 

太田創

一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事

 

一般社団法人 日本つみたて投資協会 代表理事

関西学院大学卒。
1985年、三菱銀行(当時)入行。
1988年より約10年間、英国およびブラジルで資金為替・デリバティブ等の運用、投資信託の管理業務に携わる。
その後、2000年から2019年までシティグループ(米)、UBS(スイス)、フィデリティ(米)、GCIにおいて投資信託のマーケティング・商品企画を統括。

YouTubeチャンネル:https://bit.ly/34oQ1d3

著者紹介

連載着実な資産形成を目指す…長期投資の秘訣

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