本当の長期投資家にとっては大した問題ではありませんが、ときに金利の変動は株価に大きな影響を与えます。一方、リスク資産の代表である株式の場合、投資家がリスクを感じていないときは、金利動向にかかわらず、どんどん価格は上昇します。いわゆるバブルの際は、たとえ金利が高かろうと、株式のほうが健全な投資だと思われ、ますます株価が上ります。

コロナショック以降の相場は「バブル」というより、世界的な金融超緩和政策のおかげで資金需給が緩み、余ったお金が株式に投資されているものです。実体経済の回復を見据えていますからバブルではないでしょうが、そろそろ一休みするタイミングかもしれません。

一方、安全資産の代表格である債券が買われるのは、投資家がリスクを感じているときです。早く株式を利食いして安全資産に避難しておこうとか、とりあえず確実に利息を稼いでおこうという投資スタンスに変わる場合です。もっとも、現在のようなゼロ%に近い利回り水準の場合、現金においておくのも債券を買うのもそう変わりはありませんから、必要以上に債券の需要が高まるとは思えないのですが。

いま金融市場がもっとも恐れているのは、インフレの進行による金利上昇です。コロナショック以降、株価はうなぎのぼりで、何もしなくても年10%程度で回っています。ちょっとした疑心暗鬼が生じ、インフレが来そうだ、金利が上がりそうだとなると、いとも簡単に株式は売られ債券への資金シフトが起こりかねません。リスク資産の最右翼、ビットコインもただでは済まないでしょう。一般社団法人日本つみたて投資協会代表理事の太田創氏が解説します。

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