他人資本を活用して不労所得を得られると、会社員の副業としても人気の「不動産投資」。しかし投資という性格上、成功が約束されたものではありません。本記事では、不動産会社で資産コンサルタントとして活躍する髙木弘美氏が、不動産投資で失敗をしている人にありがちな傾向を紹介します。

「管理会社に丸投げOK」と信じ切って失敗

不動産投資で大損してしまう確率はゼロではありません。その一因は、「不動産投資で不労所得が得られる」という宣伝文句に惑わされて、「物件を購入すれば、投資のすべてが完了した」と思ってしまう人がいるからではないでしょうか。

 

不動産投資とは、投資という側面もありますが、実際は事業であり賃貸経営でもあります。そのため、資金が調達できたとしても、なにもせず不勉強のままでは成功することは難しいかもしれません。

 

では、不動産投資で失敗する人はどのような傾向にあるのでしょうか? 見ていきましょう。

 

不動産投資の成功者と失敗者の違いはどこにあるのか?
不動産投資の成功者と失敗者の違いはどこにあるのか?

 

◆「管理会社」に任せきりにしている

不動産投資を勧誘する宣伝文句は、下記のようなキャッチコピーが見受けられます。

 

――物件管理や家賃回収などの面倒な業務は、管理会社に丸投げOK

――自分で行うことはほとんどなし

――物件を購入してしまえば、後は家賃が入ってくるだけ

 

確かに、賃料の5%程度を管理委託料として支払うことで、管理会社が多くの管理業務を引き受け、業務報告をしてくれますので、あながち間違いではありません。しかし、大切なことはその管理が入居者の目線で行われているかどうかです。「この物件に住みたい」「住み続けたい」と思わせるような努力や工夫を管理会社がしているかどうかを、オーナーが定期的にチェックしなければなりません。

 

ローンを完済すれば、不動産はあなたの大切な資産になります。管理会社に任せきりにせず、勉強しながら管理状況をチェックするなど、オーナーとして「不労所得」を得るために果たすべき仕事をしましょう。

 

不動産投資は物件を買ったら終わりではない
不動産投資は物件を買ったら終わりではない

 

◆「経営者目線」を忘れている

入居者目線にもとづいた工夫は、ある意味、お金をかければ達成できてしまうでしょう。ただ、不動産投資は賃貸経営です。オーナーには、経営者としての目線が求められています。入居者目線での工夫をするにしても、最終的にコストパフォーマンスを追求しなければ、良い経営者とはいえないでしょう。入居者がどんなに喜んでくれても、費用と見合っていなければ赤字になってしまいます。

 

経営者は、すべての決定に責任を持たなければなりませんが、不動産投資においての経営者であるオーナーも同様です。賃貸経営がうまくいかなくなっても、その結果に関して管理会社が責任を取ってくれるわけではないのです。様々な経営判断の場面で、経営者は孤独になりがちといわれています。

 

そんなときに、アドバイスをしてくれる存在がいると心強いのではないでしょうか。もちろん、パートナーである不動産会社はその一つです。また、同じ立場にいる不動産オーナーたちとの人脈ができていれば、成功する賃貸経営のヒントをもらえるかもしれません。いずれにせよ、不動産オーナーは経営者という認識をしっかりと再確認したうえで不動産投資に取り組むことはが重要です。

「物件が稼いでくれる」とあぐらをかいて失敗

◆勉強不足で「不良物件」に投資している

とかく一流企業や公務員、医者、弁護士など、社会的な信用と評価の高い層の人たちは、金融機関のローン審査で有利になることが多いため、一般的に資金調達であまり苦労をしません。割とスムーズに不動産投資を始められ、つい勉強を怠りがちになってしまう傾向があるようです。

 

また、勤め先で役職につくようになると専門分野での知識習得や、仕事のスキルアップも必要になるためか、そちらを優先せざるを得なくなり、賃貸経営の勉強が後回しになってしまう人もいます。しかし、不動産投資は、重要なポイントで判断を誤るとリスクが伴う事業です。なにもしなくてもいいという「不労所得」では決してありません。

 

もし「不労所得」という言葉だけを鵜呑みにして不動産投資を始めた場合、思わぬ危険にあう可能性が高まります。たとえば、悪意のある業者に当たった場合、不勉強のため問題点に気がつくことができず、結果的に不良物件をつかまされて大損害を被る可能性もあるのです。本業の忙しさにかまけて、物件選びなどを不動産会社に任せきりにして「無関心」でいるのは避けたほうが良いでしょう。

 

◆「不労所得」という言葉に甘えている

不動産投資は、投資と事業という2面性があるため、さまざまなリスクも伴います。他の副業と違い、「物件が稼いでくれる」というポイントだけをみれば、「不労所得」となるのかもしれません。しかし、まったく勉強や工夫をしなければ、その「不労所得」は維持できない可能性があることを忘れてはいけません。ましてや、運を天に任せるギャンブルと考えるのはリスクを高めることに繋がるでしょう。

 

最も気をつけるべきことは、家賃で得た収入はむやみに散財するのではなく、不測の事態や、いずれ必要となる大規模修繕などのために蓄えておくことです。また、経営者目線と入居者目線を忘れず、黒字を目指すコストパフォーマンスの高い賃貸経営を心がけることが大切になります。こういった認識で不動産投資に臨む投資家のみが、不動産投資で成功をつかむことができるのです。

 

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    本連載は、リズム株式会社が発信する「不動産コラム」の記事を転載・再編集したものです。

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