地震、火災…避けられない「災害リスク」
「なぜ、わざわざアメリカの不動産を買うのか?」「賃貸不動産に投資をした方がいいというのはわかる。しかし、どうしてわざわざアメリカの、それもダラスだの、アトランタだの、行ったこともないようなところの不動産を買わなければならないんだ?」
そのようにおっしゃる投資家が、まれにいます。「日本に住んでいるのだから、日本の不動産を買えばいいじゃないか」、これは一見もっともな意見です。
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では、なぜ日本ではなく、アメリカの不動産なのか。これには、大きく分けて二つの答えがあると私は思っています。
一つ目の答えは、「日本での賃貸不動産投資は、苦労の割に魅力がない」ということです。これは、不動産会社に勤務する立場からの答えではありません。自分自身の資金で、実際に日本の不動産とアメリカ不動産の両方に投資をした私の経験から得た、正直な実感です。
アメリカ不動産の説明に入る前段として、私には「持っていても夢が乏しい」と感じられる日本の不動産投資の現状について確認していきましょう。
2018年9月6日に北海道で最大震度7を記録した大地震、北海道胆振東部地震がありました(被災された方には、心よりお見舞い申し上げます)。その日、いつものように朝6時に起床し、テレビニュースで地震を知った私は、青ざめました。なぜなら、私は東京在住ですが、札幌の清田区に賃貸アパートを所有していたからです。
すぐに管理会社に連絡をしましたが、朝6時では当然応答はありません。鉛のように重い不安を抱えたまま、通勤電車に乗り込んだことをよく覚えています。その後、報道をチェックすると、清田区ではいわゆる「地面の液状化現象」が発生し、道路が波打ったり、陥没したりする被害も出ていることがわかりました。直接の地震の揺れはさほど強くなくても、地盤が緩い地域では、このような被害が出ることは、2011年の東日本大震災でも見られた現象です。地盤が液状化してしまっては、その上の建物も、倒壊はしないまでも、傾いたりする大きな被害からは免れません。
なんとか管理会社と連絡が取れて、調べてもらったところ、私の所有物件は大きな被害を受けていませんでした。そのとき、つくづく「日本での不動産投資って怖いな」と実感しました。もちろん、火災保険や地震保険には加入しています。
しかし実際に建物が被害にあっていたら、その後の対応などに、大きな手間と費用がかかっていたはずです。本業を持つ私にとって、そのような事態は心労以外のなにものでもありません。
日本での不動産投資の厳しさを実感
まず、どのような状況で私が日本のアパートを購入したのかを説明しましょう。
私は大学卒業後、財閥系商社に9年9カ月間勤めました。商社時代、仕事で国内外の不動産開発に関わっておりました。また、実家が不動産業、主に貸しビル業を営んでいたことから、自然と不動産投資への興味を持つようになり、まず新築の木造アパートを1棟購入しました。
定年はまだだいぶ先でしたが、将来に備えて経済的な不安をなくしておきたいという理由ももちろんありました。このときに新築アパートを選択したのは、さほど深い考えがあってのことではありません。私はどちらかと言うと、即断即決でぱっぱと物事を決める性格で、そのときも不動産業者から紹介された物件候補の中からピンときたものを即決しました。
ただ、仕事が激務で出張も多かったので、「修繕などの手間がかからない物件がいい」と考え、そのため中古ではなく新築を選んだという経緯はあります。また地域についても、どうせ自分で管理業務ができないことはわかっていたので、首都圏に固執することはなく、立地とのバランスを見て、利回りが比較的高い物件を購入しました。
当時は、ちょうど銀行の融資姿勢が積極的だった時期で、大手企業に勤めていることもあり、融資は簡単に受けられました。そして、2棟目、3棟目と同じように買い増しをして、結局3棟のアパートを持つ大家になりました。
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それからまもなく、勤めていた会社を辞め、オープンハウスに入社することになります。アメリカ不動産投資について詳しく知ったのは、入社してからです。それまでは投資用に海外不動産を買うという発想はまったくありませんでした。
そして、日本の不動産投資よりアメリカの方が魅力的だと、素直に思いました。『戦略的アメリカ不動産投資』(2017年9月 幻冬舎メディアコンサルティング刊)を書いた井上由美子が同僚になりましたが、「なんでこれをもっと早く教えてくれなかったんだよ」と、半分冗談、半分本気で言ったことをよく覚えています。
今、もし、タイムマシンがあって、国内アパートを買った当時の自分に会いに行けるなら「アメリカ不動産を買え」と伝えるでしょう。実際、入社後、しばらくしてから、個人でもアメリカ不動産を購入しましたが、もし最初から日本のアパートではなくアメリカ不動産を買っていれば、この先もう少し投資余力が残っていたはずなので、もったいないことをしたと思っています。
高山 吏司
株式会社オープンハウス ウェルス・マネジメント事業部 部長代理