年収500万円のサラリーマンが「不動産投資」は無謀なのか?

年収500万円のサラリーマンが融資がおりるからと「不動産投資」にチャレンジするのは無謀でしょうか? 本記事では株式会社WALLMATE不動産で不動産コンサルティングを行う高澤啓氏が、不動産投資における自己資金の考え方、自己資金と融資の関係について解説していきます。

不動産投資…「自己資金」と「頭金」は何が違う?

不動産を購入する時には、物件価格の他に下記のような諸経費と呼ばれている費用を現金で支払う必要があります。その額はだいたい物件価格の8〜10%程度といわれています。

 

・印紙税

・仲介手数料(※売主から購入する場合かからない)

・司法書士への報酬

・融資する時の手数料

・固定資産税などの清算金

・管理費・修繕積立金の清算金

 

たとえば、物件価格2,000万円の投資マンションを購入する場合、物件価格の他に約200万円前後の諸経費を支払う必要があります。

 

一方、自己資金とは自身が持っている資金のことをいいます。たとえば、銀行に500万円の貯金があれば、これは自己資金といいます。上記の例では200万円を支払うのは自己資金にあたります。

 

自己資金を頭金と同じ認識をされている方がいますが、イコールというわけではありません。頭金は諸経費とは別で、物件の本体価格に対していくら出すかの意味です。物件価格2,000万円に対して頭金200万円を出すのであれば、残りの1,800万円を融資利用することになります。諸経費も頭金も自己資金に入りますが、自己資金はすべて物件購入にあてる必要はありません。

 

実際に融資を受ける時にはいくらの融資枠があるのか、気になるところです。そこで金融機関が融資枠に対して、どのような基準を設けているのか、みてみましょう。

 

■区分マンション投資の場合の融資枠

区分マンション投資の場合、一般的には年収の7倍前後が1つの目安になっています。たとえば、年収が500万円の場合、3,500万円が1つの融資枠の目安になるでしょう。

 

自己資金が多くある方に対して、特に物件購入時に出す必要はありませんが、金融機関は資産があるという判断をするので、さらに融資枠の上限を引き上げる可能性があります。また、頭金の割合に応じて、優遇金利を提示してくれる金融機関もあります。

 

なお融資は年収に対する返済率を計算しているので、区分マンション投資の場合、大体年収500万円から融資がおりると言われている1つのラインです。

 

■一棟投資物件の場合の融資枠

一方、一棟投資物件に関しては、大きく分けると、物件の積算価格で融資枠を算定する金融機関と、年収を融資枠の基準にする金融機関があります。年収であれば大体700万円以上が1つの基準になっていますが、年収が高ければ高いほど融資枠も上がり、より有利な条件で融資を受けることができます。

 

区分マンションであれ、一棟物件であれ、金融機関は融資を審査する時に様々な基準を設けています。そのうちの1つが「負債と資産のバランス」です。担保にする物件の資産価値と、自身が持っている自己資金などの金融資産は、融資額つまり負債より上回るべきと判断する金融機関が多く、自己資金が多ければ多いほど有利な条件で融資を受けることができるのです。

融資が厳しくなった…最新の融資状況は?

2016年のマイナス金利実施により、不動産投資ローンは史上最低といわれるほどの金利になり、非常に有利な条件で融資を受けることができました。しかし、昨年の金融機関の不祥事を受け、金融庁の介入により一棟投資物件の融資がかなり厳しくなりました。基本的には積算評価が出ない物件は融資が出ない状況になりました。また、積算評価が出た物件でも、自己資金、頭金として物件価格の1〜3割を出さなければいけない金融機関がほとんどです。

 

つまり、1億円の一棟投資物件を購入したい場合、自己資金として1,000〜3,000万円を用意する必要にあります。

 

一方、区分マンション投資に関しては、評価がでる物件であれば、フルローンがおりている状況です。また、一棟投資物件の融資が厳しくなった金融機関は、区分マンション投資に積極的な姿勢を見せています。きちんと評価が出る物件であれば、フルローンでの利用は可能といえます。

「フルローン」と「オーバーローン」それぞれの違い

「自己資金ゼロ円でも不動産投資できますよ」という営業トークを聞いたことがあるでしょう。結論から言うと、オーバーローンを利用できれば自己資金ゼロ円でも不動産投資をスタートできますが、非常に難しいのが現状です。

 

そもそもオーバーローンとは、不動産を購入する時に現金で支払う諸経費と、不動産の本体価格をあわせて、すべて融資を利用することをいいます。たとえば、物件の本体価格が2,000万円で、諸経費が200万円の場合、その合計額の2,200万円をすべて融資するのがオーバーローンです。

 

一方、我々がよく耳にするフルローンは、あくまでも不動産の本体価格2,000万円を指します。

 

オーバーローンを利用する条件は、不動産投資の実績があったり、本業もきちんと収入があったり、他に借金がなかったりなど、「自己資金はある」という強い武器が必要で、そのような場合はオーバーローン交渉の見込みはゼロではありません。しかし不動産投資の初心者はいきまりオーバーローンを狙うのは、とてつもなく高いハードルだといえます。

 

なかには、自宅ローンの見せ方でオーバーローンをすすめてくる業社もいます。オーバーローン自体は違法ではなくても、投資物件なのに自宅ローンとして申請することは違法なので、注意しておきましょう。

突発的な出費で「自己破産」に追い込まれることも…

不動産投資は融資を活用すれば、少ない自己資金でもスタートすることができます。実際に自己資金がないのに不動産投資を始めた方もいます。

 

しかし実際に始めてみたのはいいものの、空室や部屋の設備が壊れたなど突発的な出費で、費用を出すことができず自己破産に追い込まれた方も少なくありません。

 

つまり、不動産投資は融資を活用して「他人資本」で資産形成することができる投資商品ではありますが、上記のような突発的な出費が必要な時は、自己資金が必要になります。「お金に余裕がない」人は、不動産投資は避けるべきでしょう。年収500万円のサラリーマンならば、融資がおりなくもないですが、ある程度、自己資金に余裕がないとやはり無謀なチャレンジと言えそうです。

 

突発的な出費でも備えることができる自己資金ができてから、その次のステップとして、不動産投資を活用して資産形成を検討するといいでしょう。

 

株式会社WALLMATE不動産 投資事業部 プロデューサー

大学卒業後4年間、投資用不動産会社の営業、管理職を経験後、大手上場企業に転職。
セミナー講師として、年間50ステージ以上登壇し、投資用不動産のメリット、デメリットを
分かりやすく解説する。
その後、一棟収益不動産業者のセミナー講師を経て、偏った営業から投資用不動産を買って
後悔する投資家を一人でも減らしたいと思い、投資をメインにしていない不動産会社で
適正な不動産投資をご提案できる立場を確立する。
他社セミナーに外部講師として呼ばれたり、土地活用プランナー資格者として、
無料で提供する「資産活用相談会」は多くの投資家からも好評を得ている。

著者紹介

連載資産運用のプロが伝授!投資初心者のための「不動産投資」基本ルール

本連載は、株式会社エワルエージェントが運営するウェブサイト「Estate Luv(エステートラブ)」の記事を転載・再編集したものです。今回の転載記事はこちら

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