投資用の区分マンションの「売り時」は?
不動産投資をしている方のなかには、今持っている投資用の区分マンションを手放したいと思っている方も多いのではないでしょうか。「空室続きだから手放したい」「資産の組み換えで手放したい」など、売却したい理由は様々です。手放したい理由が違えば、売却するタイミングや売却する方法も異なります。そこで今回は、投資用の区分マンションを損をせずに手放す方法を紹介していきます。
■投資用の区分マンションは「手放すタイミング」が大事
まず最初に知っておきたいのは、投資用の区分マンションは手放すタイミングが非常に大事であることです。二重契約や売買金額改ざんなど、不動産投資業界で起きた不祥事の影響で、2018年後半から一棟収益物件のローン付けがかなり厳しくなり、一棟収益物件から区分マンションにシフトしている投資家が増えています。国土交通省が発表した不動価格指数の推移(図表1)を見れば、区分マンションの価格は右肩上がりであることがわかります。
つまり、投資用の区分マンションは全体的に売却価格が上昇していることから、今は売り手市場といえます。今後どうなるかの判断は難しいですが、今売却するのは決して悪いタイミングではないといえるでしょう。
■手放す理由によって「売却方法」は異なる
投資用の区分マンションの場合、手放す理由によって売却する方法が異なります。
(1)収支がマイナスの場合
基本的に投資用の区分マンションで収支がマイナスの方は、すぐ対策をしたほうがよいでしょう。対策としては物件の売却のほか、収支がプラスの物件を買い増しして全体収支を改善させるというように、所有を続けながらの対策方法もあります。
投資用の区分マンションは投資家が買い手になるので、原則、投資用区分マンションの専門業者に任せるのがベストです。なぜならば、投資家の顧客を多く抱えている会社や、投資用の区分マンションローンを扱っている金融機関と提携している会社でないと、買い手がつかないからです。なお、空室期間をできるだけ短縮したい場合、業者に買取してもらうといいでしょう。
(2)収支がプラスの場合
収支がプラスの場合、売り手市場でもあることから、ゆっくりと高値を目指せるので、仲介業者に頼むのも1つの選択肢としてあげられるでしょう。
(3)サブリース契約(家賃保証)の場合
一般的には、サブリース契約(家賃保証)は、相場の8割前後の家賃を保証する内容になっていることが多いです。従って、サブリース契約を解除することにより、賃料がアップする可能性があります。家賃がアップすると利回りも高くなり、売却するには有利になりますが、売却する前にサブリース契約を解除する必要があります。サブリース契約には期間があり、契約解除により違約金がかかるケースもあるので、注意するようにしましょう。
(4)ファミリーマンションの場合
ファミリー向けのマンションの場合、実需と投資と両方のニーズがあります。入居者がいる時の売却もいいですが、場合によって空室のほうが利回りを気にせずに高く売却できるケースがあります。
いい条件の物件であればいいのですが、売れにくい物件を売却したい時もあるでしょう。そのようなケースは、こちらの記事(関連記事『「売れにくいマンション」8つの特徴…それでも売却する方法』)を参考にしてみてください。
■少しでも高く売却する4つのコツ
最後に、投資用の区分マンションンを高く売却する4つのコツを紹介します。
(1)投資用の区分マンションを扱っている業者に任せる
不動産業者にも得意・不得意があります。特に投資用区分マンションは専門的な知識が必要になるので、売却は投資用区分マンションを扱っている業者に任せることが絶対条件です。
(2)ポータルサイトを積極的に活用する
今や、WEBで売買情報を広報することが当たり前になっています。買い手の間口を広げる意味で、露出を増やすことも非常に重要です。
(3)相場より少し高めに売買価格を設定する
不動産の売買において、値引き交渉されるケースは多いです。値引き交渉されることを前提として、ギリギリのラインに対して少し高めの価格設定が重要です。相場より大きく離れると問合せに繋がらないので、いくらに設定するかは業者と相談しましょう。
(4)思い切りも大事
高く売却するということとは少しずれますが、売り出しの情報を長く出していると、売れ残り物件と見られ、高く売ることが難しくなります。また購入交渉を進める場合、それよりも高い価格で購入を希望する方が現れるかどうかの見極めも大事です。
■投資用の区分マンションを手放す時の税金は?
投資用の区分マンションを売却する時には税金がかかります。大きく下記2つの税金がかかるので、事前に把握しておきましょう。
●契約書に添付する印紙の「印紙税」
●売却益が出た時にかかる「譲渡所得税」
◆まとめ
今回は投資用の区分マンションを手放したいという方に向けて、売却方法や高く売却するためのコツを説明しました。マンション価格が上昇し続けている今は、売却するいいタイミングといえます。今回の説明を参考に、満足のいくマンション売却を実現させてください。