塗料の「塗りやすさ」や「色持ち」は値段に比例
屋内用の塗料には、木目が見える仕上げになるニスやオイル、ステイン、色が豊富で木目を塗りつぶす仕上げになる一般塗料があります。塗料の塗りやすさや色持ちは値段に比例しやすいものです。大きくは水性と油性に分かれています。できれば水性ではなく油性を選んでください。
2つを比較すると、水性塗料は、誤って塗っても水ぶきで落ちやすいので扱いやすい反面、色持ちが悪いです。とくに木部は時間の経過とともに灰汁(あく)が出てきて、表面が黄ばみやすいので、圧倒的に油性のほうが長持ちします。ただし、作業時には臭気が発生するので換気するよう注意が必要です。
なお、ホームセンターのプライベートブランドの水性は、値段は安いのですが色落ちがよくありません。そのため、最近は油性塗料「アサヒペン」の油性スーパーコートなども使用しています。
塗装の際には、基本的に刷毛を使います。範囲が広い場合はローラーでもいいでしょう(100円均一の商品で毎回使い捨てても可)。
刷毛で行なう塗装の注意点は、使いはじめは毛が抜けやすいので、引っ張って抜ける毛を抜いておくことです。私は過去に塗装中に毛が抜けてそのまま固まったことに気付き、塗り直したケースがあります。また塗料の付いた刷毛、ローラーにラップを巻いておけば、1日程度は洗わなくても翌日には使えます。
塗装の作業工程についてですが、クロスやCFを交換する予定なら、最初に行なうと、汚さないための養生が少なくてすみます。養生とは建築・引越しなどの作業で、先に完成した部分など作業の対象物の周辺物を汚損や傷から護るための処置です。この場合はまわりに塗料が飛び散らないよう、塗装箇所に養生テープを貼ります。床にも塗料が跳ねてもいいように、ビニールシートなどの養生をしておきます。
木部は塗装前に120番程度の粗めのヤスリで表面を軽くこすります。そうすると塗料がノリやすくなります。その際に塗装がはがれかかっているところがあれば、必ず落としておきます(その上に塗っても下地と一緒にはがれてしまうため)。
水性塗料の場合、水ぶき用の雑巾を手元に用意しておくと、誤って塗ったときにすぐ拭けます。
油性の場合、シンナーと乾いた雑巾を用意しておき、誤って塗ったときはすぐに乾拭きすれば取れます。時間が経った場合はシンナーを雑巾に染みこませて落とします。ただし、下地が痛むので油性の塗料は扱いに注意しましょう。
◆「ふすま」もお金をかけずに最安値で
和室であればふすまもあると思います。ここもお金をかける必要はありません。デザインふすまなどもありますが、地域最安値の家賃で勝負するのなら、ここでの出費はおさえましょう。ただ、ふすまは自分で変えようとすると、シワが出やすく難しいため、私は1枚2000円くらいで交換してくれる「ネットde畳」という業者にまとめて発注しています。この業者はふすまだけでなく、畳の表替えも格安で行なってくれるので非常に便利です。
ふすまにクロスを貼る際の注意点として、片方だけ貼ると収縮して歪む可能性があるので、両面貼ることをおすすめします。古い物件だと、ふすまの取っ手もサビていることがよくあるので、これも交換しましょう。
薄い平織カーペットであれば、6畳で5000円程度に
◆畳の代わりに、ござやカーペットを検討する
よりコストをおさえたいなら、畳の表替えの代わりにござを買って敷いたり、カーペットに換えたりするのもひとつの手です。薄い平織カーペットであれば6畳で5000円くらいですみます。薄い平織カーペットには折じわがついているのですが、かえって新品感が高まるので、入居者に対して好印象を与えることができます。
ちなみに、畳の表替えを行なう場合、前述の「ネットde畳」を利用すると、1畳2500円、6畳では1万5000円程度でできます。
もう一点、畳の表替えには注意が必要です。私は一度カビを生やしてしまい失敗したことがあります。新しい畳は水分を含んでいるので、カビが生えやすいのです。私はそのことを知らず、夏場に2か月くらい部屋を閉め切って放っておきました。すると、カビだらけになってしまい、青いカビが畳の上に積もってしまったことがあります。日当たりがいい部屋ならいいのですが、私の場合はシャッターを閉めて隙間風も入らないようにしてしまったのが失敗でした。
換気扇をまわしておくように管理会社に指示をしたかったところなのですが、ブレーカーを切ってしまっていたことも大きな原因でした。こうした畳のカビを防ぐには、新聞紙を引くのが有効です。ただ私の場合は手遅れだったので、管理会社にお願いをして拭き取ってもらいました。
戸建ては比較的通気性がいい物件が多いですが、これがRC造マンションの場合、気密性が高いので注意が必要です。気密性が高いと、クロスや畳にカビが生えやすくなります。さらに、ガラスに関しては、網入りガラスは熱割れしやすいので、割れた場合はノーマルのものも検討することをおすすめします。
そのほか、畳の上にウッドカーペット(ネットで6畳江戸間で1万3000円程度)を敷くこともできます。私はアパートの2階以上の部分で、床下に音を伝えたくないときに使用しています。
黒崎 裕之