真っ白な壁紙は、部屋を明るく見せる効果があるが…
◆クロスは真っ白ではなく「ベージュが入ったもの」を選ぶ
クロスは張り替えなくても、拭き取り掃除できれいになるなら、古いままでも入居は決まるはずです。
ただ、和室だと緑のクロスや砂壁、さらには30年近く前の洋室のクロスだと古い印象のものも少なくないので、少し変えてあげるだけで、雰囲気がグッとよくなります。
部屋が明るく見えたほうが好印象なので、クロスの色は白系がいいと考えがちなのですが、白すぎると汚れが目立つため、私はベージュが入った白系を選んでいます。安価な量産系のクロスで問題ありません。具体的にいうと、「リリカラ」の少し模様が入った高級テイストのものです。
クロスを交換する費用の目安は、平米単価800円以内にしましょう。
業者の探し方はインターネットで検索してください。「在庫品で構わない」といえばだいたいの場合は安くすることができます。その際に、柄は確認して、選べれば「ベージュがはいったもの」を指定します。
◆CF(クッションフロア)は型取りをして、自分で貼り替えてみよう
床材にはフローリングやフロアタイル、CFなどいくつか種類がありますが、もっともローコストで簡単なものがビニール製のCFです。安価でたくさんの種類があり、リアルなフローリング模様などもあります。
CFも古いものだと、ひまわり模様や幾何学模様など古臭くて個性が強いものが多いので、フローリング模様に変更するのをおすすめします。価格が安いと薄くなるのですが、それで構いません。私が愛用しているのは、ビバホームが出しているシリーズ「ビバオリジナル」の安い製品です。ビバホームに限らず、ホームセンターでオリジナルのものは安くておすすめです。
これらの施工は、ワンルームや1Kなど、狭ければ自分で貼り替えましょう。最初にダンボールなどを使って型を取り、それに合わせてCFを切り取り、そのCFを両面テープで貼るだけです。型を取るとき、玄関の入り口に段差があると思いますが、プラスチックの見切り材を床に留めておくとCFが浮き上がらなくなります。正しい施工法ではないですが、上から見切り材をねじ込んできれいに留めることで、段差がなくなります。
トイレのCFの場合、古いものを丁寧にはがし、それとまったく同じように鉛筆やマジックで写して切って貼るのが一般的です。しかし、はがしにくいときは、私はトイレでもダンボールで型紙を作っています。
キッチンの床でも同様に型紙を使いますが、キッチンをいったんどかしてからのほうがきれいにCFを貼れます。実は、キッチンは持ち上げれば簡単に外れるものが多いのです。業者に発注すると取り付け費で5000円くらいかかりますが、2人いれば簡単に脱着できます。男性なら1人でも脱着可能です。「外すのはまだしも、付けるのが心配」という方もいるかもしれませんが、キッチンを斜めに入れれば案外簡単です。
CFの交換を業者に依頼する場合は、平米単価1000円程度を目安にしましょう。インターネットで安い業者を探し、クロスのときと同様に「在庫品で構わない」といえば安くすることもできますが、柄は確認しましょう。
ちなみに、CFの柄にもよりますが、フローリング調で、一部のみタバコの焦げ跡がある場合、ほかの目立たないところのCFを切り抜いて、そこと交換することで全面交換が不要になることが多いです。
自分で塗装する場合、材質に合った塗料選びを
◆木部塗装は白色ベースで油性ペンキを選ぶ
古い物件の場合、柱、窓枠、廻縁(まわりぶち)、鴨井(かもい)、巾木(はばき)といった木材は部屋のあらゆるところに使用されていますが、木部分が汚れていることが多いので、きれいに拭いて塗装をしたほうがいいでしょう。
具体的に挙げると、玄関に上がるときの上がりかまちの枠、お風呂の扉など建具の枠は最低限塗ってください。
ペンキの色は白をおすすめします。レトロ感を出すなら茶色など濃い色でもいいでしょう。また、同じ白でも汚れが目立たないようクリームが入った色を選ぶ人もいます。
また、ペンキを選ぶときは、基本的に塗装する材質によって種類が分かれていることに注意しましょう。缶を見ると「木部用」や「鉄部用」など、用途に応じた名前が書いてあり、裏面にはさらに詳しい用途が書かれているので、ホームセンターに出向いて材質に合った塗料を選んでください。
黒崎 裕之