費用対効果が高い「ターゲットにあった設備」の導入
①魅力ある外観にする
今回は、物件の改善について解説します。
物件の第一印象が悪いと、絶対に入居は決まりません。
入居が決まってから、部屋をリフォームする大家さんがたまにいますが、リフォーム前の部屋を見せてはいけません。
きちんとリフォームした後のお部屋でないと、そこに住むイメージがわかず、契約にもなりません。
エントランスの印象も非常に大事です。
部屋はキレイでも、エントランスが汚いと印象が悪いです。むしろ部屋よりもエントランスをキレイにする方が入居の確率が上がるといっても過言ではありません。
またエントランスを明るくしておくことが重要です。夜はライトがついて明るいエントランスになっても、昼間に物件を見にいったら、影で暗かったという物件はよく見かけます。エントランスに花などを置き、常に明るい印象にしておきましょう。花だけで全然印象を違って見せることが可能です。
[図表]共用部分の見せ方には工夫が必要
②費用対効果の高い設備の導入を検討
ここまでやってきても決まらないのであれば、入居者に喜ばれる設備を導入することを検討しましょう。やみくもに設備を導入しても、お金がかかるだけです。
ターゲット(性別、年齢など)にあった設備の導入を検討することがすることが大事です。費用対効果の高い設備をあげておきます。
[費用対効果の高い設備]
生活便利系
●無料Wi-Fi
●宅配ボックス
●温水洗浄便座
●浴室乾燥機
●追い焚き機能
セキュリティ系
●TVモニター付きインターフォン
●ディンプルキー
●防犯カメラ
●オートロック
「物件そのものに問題がある」場合はどうすべきか
③お部屋の魅力を引き出す演出
リフォームしたお部屋はキレイでよいのですが、何もなくてはガランとしています。そこで、おしゃれな家具などを置いてみましょう。ステキな生活イメージを連想させる「お部
屋の演出」これは賃貸でも一般的になっていくでしょう。
家具・家電付のお部屋にするのも有効です。入居者は、引っ越してくるにあたって家具や家電を買いそろえるのが負担な人もいます。入居してすぐに生活ができるということもアピールしましょう。
④プチリノベーション
これだけやっても決まらないのであれば、いよいよリノベーションを検討する必要があります。
ただし、部屋全体をリノベーションすると、莫大な費用がかかります。「キッチンをシステムキッチンに替える」とか、「クローゼットをウォーキングクローゼットにする」とか、一箇所だけのプチリノベーションをやってみましょう。その際、誰も目につかないところをリノベーションしても効果はありません。行うべきポイントですが、
ターゲットに対して響く場所、目につく場所
これがおススメです。たとえば、若者がターゲットであれば、壁紙を1面だけアクセントクロスする、といった具合です。これは私の経験上、費用対効果が高いです。
ここまで一通りやっても、入居が決まらないのであれば、本格的にリノベーションをすることも考えなくてはなりません。しかし、ここまで空室対策をやってみて感じる部分もあるのではないかと思います。
それは、物件そのものに問題があるということです。
空室が、間取りや躯体の問題であれば、建て替えを検討しなければなりませんし、立地の問題であれば、売却も検討するべきではないかと考えます。
繰り返しますが、賃貸経営は右肩下がりのビジネスモデルです。
間取りや立地がネックになるようであれば、今後も賃貸経営において苦労が多くなります。
見切りをつけて、建て替えや売却を考えるのは、事業として当然行うべきことです。
「空室対策をやるだけやったけれど、結果的に難しかった」
この結論を出せたことに価値があるのだと思います。
渡邊 浩滋
税理士・司法書士渡邊浩滋総合事務所代表 税理士
司法書士
宅地建物取引士