賃貸経営の「固定費」を大幅に削減する4つの鉄板テクニック

今回は、賃貸経営における固定費を上手に減らす方法を見ていきます。※本連載では、税理士・司法書士で、渡邊浩滋総合事務所代表・渡邊浩滋氏の著書『税理士大家さん流 キャッシュが激増する無敵の経営』(ぱる出版)から一部を抜粋し、賃貸経営で収入を増やすためのキャッシュフロー改善術をレクチャーします。

管理会社に紹介された業者で大丈夫か?

賃貸経営において、固定費として見直すべきものをみていきましょう。そもそも大家さんは、支出となるものを比較検討しない人が多いのです。

 

ビジネスでは、相見積もりは当たり前の世界ですが、大家さんはあまりしません。管理会社さんからいろいろな業者さんを紹介される場合が多いのも事実です。

 

その管理会社さんとの関係上、紹介された業者さんにお願いするという事情もあります。

 

しかし、そのような場合に限って、「紹介された業者さんが良くなかった、高かった」という声はよく聞きます。

 

最終的に紹介された業者さんに選ぶにしても、その業者さんが他の業者さんと比べて、どの点がよいのか、値段がどのくらい高いのか、知っておくべきです。

 

たとえば、どんなものがあるでしょうか?

 

大きく分けて、次の4つになります。

火災保険の契約プランで「付加すべき基本補償」とは?

(1)火災保険

 

火災保険は、融資を受けた銀行や農協、建築会社や不動産会社で加入するケースが多いと思いますが、当初の諸費用予算に合わせてプラン設計をしている場合があります。そのため、適正な契約内容にすることで、保険料が下がるケースもあります。

 

①保険金額
建物の保険価額に基づいた保険金額が設定されている必要があります。建築時の外構工事費用の全額が加算されている場合は、補償されない駐車場の舗装費用なども含まれます。

 

また、物件を購入した場合は土地代金が含まれていないかの確認も必要です。

 

なお、火災保険における建物には、建物の基礎、門・塀・垣、延床面積66㎡未満の付属建物(物置・車庫等)も保険の対象に含まれます。

 

②保険期間と免責金額
火災保険の保険料は、保険期間5年以下と6年以上で異なる計算をしています。そのため、賃貸経営を長期で行うのであれば、6年〜10年の保険期間で契約しましょう

 

こうしたほうが、1年あたりの保険料は低くなります。

 

免責金額については、0円〜10万円の範囲で定めることができますが、保険会社によって設定できる金額は異なります。保険金の支払い金額は、損害額から免責金額を差し引いたものになるので、免責金額の設定額が大きいほど、保険料が低くなります。

 

③契約プラン
火災保険の契約プランは、基本的に付加するべき補償と立地や道路付けによっては付加しなくても良い補償があります。基本補償としては、火災、落雷、破裂・爆発、風災・雹災・雪災、水ぬれ、盗難を付加するべきです。

 

立地や道路付けにより判断するのは、水災、破損・汚損・飛来です。

 

水災は、建物地域の「洪水ハザードマップ」を参考にし、建物への浸水予測を確認して付加するかの選択をします。補償の対象となるのは、床上浸水または地盤面より45cmを超える浸水を被った場合になりますので、洪水・融雪洪水・高潮・土砂崩れにより、その程度の災害予想がなければ付加しなくても良いでしょう。

 

破損・汚損・飛来については、不測かつ突発的な事故による建物損害が対象になります。たとえば、建物が道路から離れていて車が門や塀に突っ込んで来るリスクが低い場合は、飛来の心配は少ないでしょう。

 

④特約プラン
自動的に付加される特約に、損害保険金の一定割合を支払う諸費用保険金と地震火災費用保険金があります。これらは、支払保険金の割合を下げることで、保険料を下げることができます。その他、マンションに限り、水災補償に支払い保険金額の限度額(10% or 30%)を設定し、保険料を下げることもできます。

メンテナンス費用は「相見積もり」を取り比較選択する

(2)メンテナンス費用

 

アパートやマンションはいろいろなメンテナンス費用がかかります。代表的なものは次の3つです。

 

①エレベーターメンテナンス費用
エレベーターがついているような物件であれば、毎月メンテナンス費用がかかります。エレベーターメーカーがメンテナンスをやる場合もありますが、別のメンテナンス会社にお願いすることも可能です。メンテナンス頻度を調整することでも、月々の費用を抑えることが可能になります。

 

②消防設備点検費用
消防用設備点検報告とは、消火器やスプリンクラー設備、自動火災報知設備などの消防用設備が、火災の際に正常に作動しないと人命にかかわることから、定期的に点検し、管轄する消防署へ報告する制度です。消防点検には次の2種類があります。

 

[消防点検の2種類]

機器点検:外観又は簡易な操作による確認をする、6月に1回

総合点検:実際に消防設備を作動させ、総合的な機能を確認する、1年に1回。

 

点検の業者さんは、インターネットで検索すれば、かなりの数が出てきます。なので、相見積もりを取って比較選択するだけで費用が抑えられると思います。

 

③清掃費用
管理会社さんに清掃までお願いすることも多いでしょう。しかし、清掃をどのくらいの頻度で、どこまでやったかの報告を受けている大家さんはあまり多くないように感じます。1回あたりいくらくらい清掃費で取られているか、計算すると意外に高額になっていたりします。アパートやマンションの清掃だけを請け負う業者さんもいるので、そういう専門の業者さんを検討してみる、もしくは、シルバー人材で清掃をお願いすることができれば、大きく費用削減できる可能性もあります。

 

(3)通信費

 

最近は、入居者サービスとして、無料でケーブルテレビが見られたり、インターネットにつなげられたりすることが、当たり前のように行われています。これらは、大家さんが入居者さんの代わりに、費用を出しています。1室あたり月額いくらでと設定されていることが多いです。部屋数が多いと、金額も相当なものになります。少しでも下げられないか、比較をしてみてください。

意外に誤りが多い固定資産税…課税明細チェックは必須

(4)固定資産税


「固定資産税って下げられるの?」という疑問があると思います。下げる方法はあるのですが、専門的な内容になるので、詳しくは専門家に尋ねるか、拙書(共著)「Q&A固定資産税は見直せる 適正納税の方法と実践」(清文社)という本をお読みいただければと思います。

 

しかし、大家さんとしてぜひやっていただきたいことは、固定資産税が間違っていないかどうかの確認です。毎年、固定資産税の課税明細書が送られてきますが、そこに記載されている物件が自分の所有するものなのか、面積や構造は合っているか、下記を参考に確認をしてみてください。意外に誤りも多く、余計な固定資産税を何年も払っていたなんてこともあります。

 

[課税明細書のチェックポイント7つ]

①単純ミス(名義人、対象地、構造、住宅軽減)

②登記簿面積より実測面積の方が小さい場合

③アパートと駐車場が一体利用されているが、分離して評価されている場合

④店舗・事務所から居宅に転用したが、住宅用軽減の適用がされていない場合

⑤不整形の形をしている宅地だが不整形の減額がされていない場合

⑥私道で非課税が受けられるが、非課税の申請をしていない場合

⑦セットバックにより道路になったが、道路での評価がなされていない場合

税理士・司法書士渡邊浩滋総合事務所代表 税理士
司法書士
宅地建物取引士

1978年、東京都江戸川区生まれ。明治大学法学部卒業。税理士試験合格後、実家の大家業を引き継ぎ、空室対策や経営改善に取り組む。大家兼業税理士として悩める大家さんのよき相談役となるべく、不動産・相続税務専門の税理士法人に勤務。退職後、2011年12月、同事務所設立、現在に至る。司法書士の資格を活かし、不動産のスペシャリストとして税務だけでなく法律面の観点からもトータル的なアドバイスを提供。
『「税理士」不要時代』(幻冬舎)、『相続対策の常識ウソ?ホント?』『大家さん必携!ライフサイクルから考える賃貸経営の税務Q&A』(ともに清文社)、『大家さんのための超簡単!青色申告』(クリエイティブ ワークステーション)など著書多数。

渡邊浩滋総合事務所 http://www.w-sogo.jp/

著者紹介

連載税理士大家が教える「キャッシュ」が激増する賃貸経営術

税理士大家さん流 キャッシュが激増する無敵の経営

税理士大家さん流 キャッシュが激増する無敵の経営

渡邊 浩滋

ぱる出版

本書は、大家さんの賃貸経営におけるキャッシュフロー改善の教科書です。 著者の渡邊さんは税理士業を行いながら、大家業も行う「税理士大家さん」ですが、経営状態の改善ノウハウには定評があります。渡邊さんは、税理士試…

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