長期で資産運用を考えたとき、相続税は100%発生する「債務」ともいえます。子の代、孫の代まで資産を守っていくためには、かかる相続税も考慮に入れた利回りを試算することが重要です。本記事では、不動産と金融商品の「親子二世代の運用」を比較します。
相続税は莫大な「簿外債務」!?
「この商品の運用利回りは10%だった、素晴らしい!」というコメントを耳にすることがあります。もちろん、所得税等が課されますので、20%~50%程度の税金が差し引かれることくらいは認識されているでしょう。それでも、うまく運用することができれば、個人資産を大きく増やすことができます。
しかし、世代を超えた資産運用を考えるのであれば(自分の世代で資産を使い切る、市町村に寄付するとおっしゃる方は別です)、世代を超えた投資利回りを考えなければいけません。そこで絶対に考慮しなければいけないものは、相続税という大きな損失です。
「相続税が損失」といわれてもピンとこないかもしれません。なぜなら、この損失は、まさにいま資産を運用する資産家が死んだあと、子供が支払うものだからです。また、大きな損失ではあるものの、自らその損失を被る悲劇を体感することが難しいからです。
公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)
平成28年度経済産業省中小企業庁「事業承継ガイドライン委員会」委員、令和2年度日本公認会計士協会中小企業施策研究調査会「事業承継支援専門部会」委員、東京都中小企業診断士協会「事業承継支援研究会」代表幹事。
一橋大学大学院修了。中央青山監査法人にて会計監査及び財務デュー・ディリジェンス業務に従事。その後、三菱UFJ銀行ウェルスマネジメント営業部、みずほ証券投資銀行部M&Aアドバイザリーグループ、メリルリンチ日本証券プリンシパル・インベストメント部不動産投資グループなどに在籍し、中小企業の事業承継から上場企業のM&Aまで、100件を超える事業承継とM&A実務を遂行した。現在は、相続税申告と相続・事業承継コンサルティング業務を提供している。
WEBサイト https://kinyu-chukai.com/
著者登壇セミナー:https://kamehameha.jp/speakerslist?speakersid=142
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