上層階が狙い目!税制改正後も揺るがないタワマンの税メリット

相続税対策として流行した「タワーマンション投資」。税制改正がありましたが、その手法は今でも効果的なようです。子の代、孫の代まで資産を守っていく手段として有効とされていますが、その仕組みは一体? 本記事では、岸田康雄公認会計士/税理士が、「タワーマンション」で節税する仕組みをはじめ、相続税対策としての「不動産投資」について解説します。

タワーマンション投資の相続税対策は今でも有効か?

◆不動産投資にはタワーマンションがおすすめ

 

相続税対策に最適な不動産は、相続税評価の引下げ効果が大きく、かつ、収益性が高く将来の資産価値の上昇が見込める不動産です。しかし、このような優良不動産を見つけることは容易ではありません。

 

この条件に該当する唯一の不動産は、都心のタワーマンションの区分所有物件です。タワーマンションは、狭い土地に数多くの区分所有者が集積しているため、1区分当たりの敷地面積が著しく小さくなり、土地の評価額が大きく下がるからです。

 

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このため、相続税対策を目的として都心のタワーマンションの上層階を買うことが一時期流行しました。税制改正があった今でも、この方法は金融資産家の相続税対策として有効だと考えられます。

 

都心のタワーマンションの場合、実勢価格(市場価格)と相続税評価のかい離は、戸建てや1棟アパートに比べてかなり大きくなります。たとえば、1億円で販売されている高層タワーマンションの相続税評価が、敷地持分1,000万円、建物持分1,000万円の合計2,000万円、つまり「かい離率8割」というケースは珍しくありません。

 

分譲マンションの販売価格は、通常、近隣の専有面積当たりの単価を相場と考えて設定され、土地の時価と建物の建築費の合計額よりも大幅に高い価格に設定されることから、相続税評価は市場価格と大きくかい離するのです。

 

ちなみにタワーマンションは、眺望のよさを反映して、高層階になるほど価格が上がるように売買されていることから、相続税対策の観点からは、かい離率の大きな最上階の部屋が最適だと考えることができます。8,000万円ものかい離を作ることができれば、たとえば相続税の税率が50%の場合、4,000万円の税負担を軽減できる計算です(=8,000万円×50%)。

 

[図表1]高層タワーマンションの市場価格のイメージ
[図表1]高層タワーマンションの市場価格のイメージ

 

◆タワーマンション区分所有物件の生前贈与

 

この手法を活用すれば、生前贈与も効果的な相続・生前対策となります。1億円の金融資産をそのまま子供に贈与すれば、およそ5,000万円の贈与税を支払わなくてはなりません。しかし、1億円でタワーマンションの最上階の部屋を購入し、それを子供に生前贈与すれば、贈与時の不動産の評価額は2,000万円です。相続時精算課税制度を使うとすれば、2,500万円まで税負担を伴わずに贈与できますから、贈与税を支払わずに、子供に1億円の個人財産を移転できます。

 

贈与されたあと、子供がこの部屋を売りに出します。都心の人気物件であれば、購入価格の1億円と同額で売れるかもしれません。当然、売却代金は全額子供の懐に入りますし、譲渡所得もゼロです(=譲渡収入1億円-取得費1億円)。したがって、子供の手元には1億円の金融資産が残ります。一方親のほうは、マンションの購入代金である1億円の金融資産が手元から消えます。そして、いったん手に入れた区分所有マンション1戸をすぐに子供に贈与してしまいますので、この不動産もなくなります。

 

結果として、親の手元から1億円分の金融資産がなくなり、税負担なしでそっくりそのまま子供の手にこの金融資産を移転することができました。市場価格と相続税評価のかい離が大きいタワーマンションを狙って購入することによって、効果的な相続・生前対策を実行することが可能となるのです。

 

[図表2]タワーマンション投資で9割の圧縮を行った事例
[図表2]タワーマンション投資で9割の圧縮を行った事例

タワーマンション投資を活用した最適な生前贈与の手法

◆タワーマンションを活用した最適贈与

 

個人が所有する不動産を借入金とセットで贈与しようとすれば、負担付贈与の問題が伴います。それゆえ、タワーマンション投資を相続税対策の手段として活用するならば、法人所有とすることが不可欠です。また、タワーマンションの投資を法人で行うとすれば、法人の相続税評価はゼロまで引下げることが可能です。

 

[図表3]不動産所有法人の設立パターン
[図表3]不動産所有法人の設立パターン

 

◆タワーマンション投資の数値例

 

通常は、法人が、銀行借入金によって新たにタワーマンション区分所有物件を購入することが考えられます。例として以下の計画について考えてみましょう。

 

<タワーマンション投資計画>

1億円の区分所有マンション2戸を総額2億円(→相続税評価額4,000万円)で購入する。自己資金1億円、銀行借入金1億円。

 

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自己資金1億円を出資して法人を設立します。次に、不動産仲介会社を通して、タワーマンション2億円を購入する契約を行って、銀行から1億円を借り入れます。つまり、自己資金と銀行借入金を合わせて総額2億円の不動産投資となります。これを実行しますと、タワーマンションを購入してから3年後の法人の財産評価は以下のように変化します。

 

[図表4]借金してタワーマンション投資の効果
[図表4]借金してタワーマンション投資の効果

 

3年経過すると、法人の株式評価額はゼロとなります。ここまでくれば、どれだけ贈与しようとも贈与税はゼロですから、一気にすべての株式を子供や孫へ贈与してしまえばよいことになります。つまり、法人で借金してタワーマンション投資という手法を実行することによって、相続税の節税効果は最大化されることになります。

 

 

岸田 康雄

国際公認投資アナリスト/一級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認会計士/税理士/中小企業診断士

 

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国際公認投資アナリスト/一級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認会計士/税理士/中小企業診断士

平成29年経済産業省「事業承継ガイドライン改訂小委員会」委員、日本公認会計士協会中小企業施策研究調査会「事業承継支援専門部会」委員、東京都中小企業診断士協会「事業承継支援研究会」代表幹事。
一橋大学大学院修了。監査法人にて会計監査及び財務デュー・ディリジェンス業務に従事。その後、金融機関に在籍し、中小企業オーナーの相続対策から上場企業のM&Aまで、100件を超える事業承継と組織再編のアドバイスを行った。

WEBサイト https://fudosan-tax.net/

著者紹介

連載資産3億円以上の人のための「相続税対策を徹底的に意識した」資産運用術

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