相続を見据えた資産運用 税対策と利回り…どっちを優先する?

長期で資産運用を考えたとき、相続税は100%発生する「債務」ともいえます。子の代、孫の代まで資産を守っていくためには、かかる相続税も考慮に入れた利回りを試算することが重要です。本記事では、不動産と金融商品の「親子二世代の運用」を比較します。

レバレッジをかけた資産運用を親子二世代で行うと…?

外資系プライベート・バンクでは、金融資産家に対して有価証券担保ローンを提供しています。つまり、金融資産の運用残高を膨らませ、利回りの上昇を狙うという運用手法です。ハイリスク・ハイリターンの投資となります。

 

金融資産家の5億円に対して、掛目70%で3.5億円の有価証券担保ローン(金利1%)を提供し、同額を金融商品で運用します。1%で調達して4%で運用するわけですから、これによって3%の利ざやを抜くことが可能となります。そうすれば、この金融資産家の実質利回りは、レバレッジ効果が効いて、(5億円×4%+3.5億円×3%)/5億円=6.1%となります(図表1、2)。

 

プライベート・バンクによる有価証券担保ローンは、「元本据え置き」であり、毎年利息だけ支払い、満期に元本全額を返済するというものです。これは、不動産投資を行う場合のローン(元利均等払い)と大きく異なります。

 

(注)利ざや(3%)を再投資して複利運用します。
[図表1]借入金で金融商品運用するときの「利ざや」(スプレッド) (注)利ざや(3%)を再投資して複利運用します。

 

[図表2]金融資産家が有価証券担保ローンで有価証券運用する

 

こちらに関しても、前回(関連リンク『相続税は莫大な簿外債務!? 資産家を取り巻く恐るべき実情』参照)に引き続き、5億円を親子二世代で運用した際のシミュレーションを見てみましょう。

島津会計税理士法人東京事務所長
事業承継コンサルティング株式会社代表取締役 国際公認投資アナリスト/公認会計士/税理士/中小企業診断士/一級ファイナンシャル・プランニング技能士

一橋大学大学院商学研究科修了(会計学及び経営学修士)。 国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会検定会員)、公認会計士、税理士、中小企業診断士、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。日本公認会計士協会経営研究調査会「事業承継専門部会」委員。
中央青山監査法人(PricewaterhouseCoopers)にて会計監査及び財務デュー・ディリジェンス業務に従事。その後、メリルリンチ日本証券プリンシパル・インベストメント部門(不動産投資)、SMBC日興証券企業情報本部(中小企業オーナー向け事業承継コンサルティング業務)、みずほ証券グローバル投資銀行部門(M&Aアドバイザリー業務)に在籍し、中小企業オーナーの相続対策から上場企業のM&Aまで、100件を超える事業承継と組織再編のアドバイスを行った。

WEBサイト https://jigyohikitsugi.com/

著者紹介

連載資産3億円以上の人のための「相続税対策を徹底的に意識した」資産運用術

 

 

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