今回は、「お金持ち」とは何かについて見ていきます。※本連載では、「賃貸経営」を中心に資産を形成していくための実践的な考え方やノウハウを、自らも家賃収入7億円のオーナーでもある、アサヒグローバル株式会社、ゴールドトラスト株式会社、ゴールドエイジ株式会社取締役会長・久保川議道氏が解説します。

日本と外国では全く異なる「お金持ち」へのまなざし

諸外国でお金持ちは無条件で尊敬されています。しかし日本人はお金持ちが嫌いですね。そして妬んだり嫉妬したり、そのお金持ちが何かで失敗してお金を失くすと喜んだりしてしまいます。やれ嬉し隣の倉が売れていく・・・。

 

その理由は何故でしょう。それは日本人は『農耕民族』だったからでしょうね。村全員で力を合わせないと田植えも稲刈りもできません。一人でやっていると収穫する前に台風で全滅です。何をやるのにも皆で一緒ですから、平等第一で一人だけ得をしている人が居ると村八分。だからお前だけが金持ちになると許さないのでしょう。今は日本も民主主義で資本主義なのですが、72年前までは何百年もそういう社会が続いたのですから仕方がありません。

 

しかし欧米は『狩猟民族』ですから、能力と実力のある個人が獲物をたくさん捕ってお金持ちになるのは当たり前。それどころか村人全員から憧れと尊敬のまなざしですね。それともう1つ欧米でお金持ちはほとんど貴族だったのですが、貴族の心得、信条の第一は『ノブレス・オブリージュ』(高貴な人の責務を果たすこと)戦いになれば国のために一番危険な戦場へ行く。お金持ちで、エリート達は政治や行政でも給料なしに働く(デンマークの市議は無給です)。だからお金持ちは尊敬されているのです。日本で政治家や官僚が尊敬されていますか。されていませんね。残念なことです。

 

例えば世界一のお金持ちのマイクロソフトのビルゲイツさんは(年収1.5兆円・個人資産9兆円・法人含む全資産60兆円)4兆円も自分のお金を寄付していますし、第3位のウォーレンバフェットさんは(年収1.4兆円・個人資産8兆円・法人含む全資産50兆円)全財産の80%を寄付して自分の家族には少ししか残さないのです(ビルゲイツさんは死後全財産の95%を寄付すると誓約している)。日本にはこういうお金持ちは一人も居ませんね。まあいなくていいのです。寄付しなくても国家が相続税で55%をむりやり取っていきます。しかし過去最高の相続税額はたった1,135億円ですね(ブリヂストンの石橋幹一郎さん)。

 

「お金持ちになる」という目標を持ってはいけない⁉

さて私の考える『金持ちとは何か』ですがそれは

 

①世のため人のために一生懸命に働いた人(他人のために生きた人)。

 

②お金を目的とせず、世の中にない新商品・新サービスを創り出して、世の中を変革した人(世界・日本を変えた人)。

 

③そして世の中に役に立つ仕事をすれば、必ずお金が後から付いてきますから、そのお金の大きさがその人の評価なのです(大きなお金が付いてきた人)。

 

④そしてそのお金をポケットに入れないで、より役に立つ仕事に再投資する人(資本主義で民主主義の人)。

 

⑤最終的にはやはりお金を全部自分のものにしてはいけません。その時はよくても2代・3代と財産が永続しませんね(ノブレス・オブリージュの人)。お金は人のために使うものです。

 

この5つだと思いますが要するにお金持ちになりたければ、お金持ちになるという目標を持ってはいけませんよ、というお話しでした。お金を目標にするとろくな事はありませんね。しかし①~⑤で自然にお金持ちになることは大賛成です。分相応にその人の器の大きさのお金持ちが『幸せなお金持ち』ですから金額にもこだわる必要はありません。私の場合はまあ、100億円くらいのご指導はできますので『100億円の財産を作る方法』がテーマとなっていますが、1億円でも10億円でもかまいませんね(お金持ちの世界基準は5億円の現金があることと決まってはいますが)。

 

それともう1つ大切なことは、日本は世界一税金の高い国ですし、寄付をしても同等額の税金が取られます。これでは日本でお金持ちにはなれません。私の節税や資金運用のノウハウなどの諸外国にはない日本だけの『日本独自の財産づくり』を知ることが重要なのです。

 

次回の第3回でお話ししますので、ご期待ください。

 

本連載は、久保川議道氏のブログ『会長のひとりごと』から転載したものです。
ブログはこちらから⇒http://kubokawayoshimichi.com/index.html

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