写真:GTACスタッフ

現政府が進める民営化などの政策に強く反対するラージャパクサ前大統領は、2016年度予算案に対する自身の見解を公表しました。今回から6回に分けて、その声明文の全文をご紹介していきます。

前政権時は経済が好調だったと強く主張

ラージャパクサ前大統領による声明の全文は下記のとおり:

 

2016年に向けた経済状況及び予算に対する見解

 

国民の皆さま、この度は2016年度予算におけるいくつかの重要事項をお話する機会を頂けたこと、大変喜ばしく思っています。その予算についてお話する前に、スリランカにおける全体的な経済状況について簡単にご説明したいと思います。

 

私が大統領の座を退いた2015年1月9日の時点では、この国の経済はとても安定していました。私の大統領としての任期は9年に及びましたが、その間、国民一人あたりの収入は3倍増えました。2005年には1,241米ドルだった一人あたりの収入が、2014年には3,654米ドルに到達したのです。

 

また、直近の5年間、つまり2010年から2014年の間は、経済成長率がそれぞれ8%、8.2%、6.3%、7.3%、7.4%でしたし、2006年から2009年、つまり内戦の真っただ中でも、平均成長率は6%ありました。

 

インフレ率も、2010年から2014年の5年間、平均6%という低い水準を維持しています。2014年の終わりには1米ドルあたり131.05スリランカ・ルピーでした。2011年から2014年の間は127~131スリランカ・ルピーの間で留まっていたのです。(編集部注:2015年12月17日現在1米ドル=144.39スリランカ・ルピー)

外貨準備高・株価の上昇と失業率・支出・国債の減少

そして、失業率については、2006年から2009年の間は平均5.9%でしたが、内戦後の2010年から2014年の期間には4.3%に下がりました。

 

外貨準備高につきましても、2005年は27億3500万米ドルでしたが、2014年の終わりには82億800万米ドルにまで到達しました。そして、政府支出(対GDP比)は、2006年に24.3%、2009年までの内戦の期間中でも平均23.8%に抑えられていたのです。この政府支出は2010年以降、年々大幅に減少し、2014年には18.2%まで下がりました。

 

国債(対GDP比)は私が大統領に就任した2005年に90.6%でしたが、こちらも毎年減っていき、2014年には75.5%まで落とすことが出来ました。これはここ35年間で一番低い割合になります。

 

続きまして、全ての国債のうち対外債務が占める割合ですが、こちらも2005年は39%でしたが、毎年減少し、2014年には31.8%となりました。一方の利率も、2010年から2014年の間、7~9%と微動に抑えることが出来ました。

 

そして、2005年の終わりに私が大統領に就任した頃、コロンボ証券取引所の主要株価指数のひとつであるAll Share Price Index(ASPI)は1,922で、同証券取引所の時価総額は5,840億スリランカ・ルピーでした。新政権へ交代したタイミングでは、ASPIは7,299まで上昇し、コロンボ証券取引所の時価総額も3兆1049億スリランカ・ルピーにまで到達しています。


次回は、政権交代により経済状況が悪化したとする前大統領の主張をお伝えします。

この記事は、GTAC提携のスリランカのニュースサイト「EconomyNext」が2015年11月29日に報じた記事を、翻訳・編集したものです。

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