督促をする上で必要な3つの考え方とは?
(前回からの続きです)
次に不動産投資家として日常の賃貸経営の要でもある「家賃管理をどのようにやっていくのか」についてお話をします。
基本的には、管理会社に管理を委託するケースが多いでしょうが、物件の社長として、不動産投資家は「まったく知らない。すべておまかせ」ではなく、家賃管理がどういうものなのかを把握しておく必要があります。
たとえば滞納者があった場合には、「どういう状況で、どういう形になっているのか?」を理解するという意味でも、本連載を参考にしてください。
賃貸経営事業者として自覚を持った上で、管理会社にアウトソーシングをする場合、自分が軸となるのは同じですが、実際に動くのは管理会社です。
それぞれによって仕組みの作り方が変わってきます。
賃貸の督促をする上で必要な考え方は、次の3つです。
①督促しない仕組みを作る
②督促をするなら、ストレスにならない仕組みを作る
③リカバリーできそうな滞納者への対処法
契約の段階で「自動引落し・送金」の設定に持っていく
まず督促の仕組みのつくり方とノウハウを説明します。
契約時に「家賃の振込み」という仕組みを作ります。
そのための方法をいくつか提案します。
・契約時に自動引落しにしてもらう
・自動引落し対応の保証会社を契約の条件にする
・銀行口座からの自動引き落としにするか、もしくは自動引き落とし対応の保証会社の契約を条件にします。その場合、クレジットカードからの引き落としになります。
・入居者のメインバンクから自動送金手続きをお願いする
以上から選択をしてもらいます。
このように、契約のときに銀行印をもってきてもらい、自動送金の仕組みをすることで、その後のストレスが違ってきます。
大切なのは「契約の段階で」そのような仕組みにできないかを考えることです。
なお、メインバンクから自動送金手続きをお願いする具体的な方法は以下です。
①不動産会社に入居者のメインバンクを事前にヒアリングしてもらいます。
②不動産会社に入居者のメインバンクの自動振替用紙を契約時までに用意してもらいます。もしくは大家さん自身で用意します。
③契約時に、入居者のメインバンクの自動振替用紙を入居者に記入し、手続きしてもらいます。それを銀行へ送付すれば、自動送金になります。
このような形で、自動で家賃を支払う仕組みをつくります。
注意点として、自動送金の開始月はある程度時間がかかりますので、それまではご自身に家賃振り込みを行ってもらう必要があります。
それも交渉次第では合わせて前家賃としてもらうことができます。