入居時の現状確認のための「3つのポイント」
入退去時の現況の確認をしっかり行うに尽きると思います。入居時の物件状況の確認シートを提出してもらう必要があります。またそれに付随して、入居時の写真、更には入居者の立場に立った説明をする必要があります。次の3点を簡単に解説していきます。
1.確認シート
2.写真に残す
3.入居者の立場に立つ
1.確認シート
①家主(管理会社)が確認
家主(管理会社)が入居時の状況を確認します。本当はお互いに同タイミングで一緒に確認しあうのがベストです。
②入居者が確認
次に契約後に入居者が確認をします。その上で
③お互いの確認シートを共有
④退去時はそのシートをたたき台にする
入居時の現況から退去時は「どのように変わったのか?」を確認します。
2.写真に残す
①寄って撮影
壁のクロスに傷が入っていた場合、寄って写真を撮る必要があります。それはどういった状態か?アップで撮影して確認します。
②引いて撮影
アップでは、それが部屋の中でどこの場所かわかりません。まず寄った現況を確認する写真とともに、その写真がどこにあるのかを引いて、周辺のものも含めて写真を撮る必要があります。
③指差して
できれば引いて「ここの写真を撮ってますよ」と指で差して撮ります。退居時は入居時のことを忘れていますから、そのときの記憶をお互いに思い出す意味合いも込めて、指差し確認をして写真を撮ります。
わかりやすくバリエーションをつけた写真撮影で、入居時の物件状況を確認します。そして現況確認シートにどの部分に対して、どの部分の写真を撮っているのかを合わせて確認をとっておきます。
3.入居者の立場に立った説明
入居者の立場に立った説明とは、次の条件を満たす説明のことです。
①一方的でない
②互いの利益を尊重
よくあるのは「これこれこういう場合は入居者の負担になります」と法律に則って、「この場合は家主に責任はない」という風な、一方的な契約をする場合が多くあります。
入居者の立場に立ったときに、部屋を使う際の情報を入居者に事前に伝えておけば、入居者は物件をキレイに使ってくれます。このように生活に役立つ情報を事前に伝えておくことが大切だと思います。入居者の立場に立った説明=オーナー側が一方的に自分の利益だけを伝える契約めいたものだけではなく、お互いの利益、部屋を丁寧に使い続ける意識を持って生活することが必要ではないでしょうか。
結果的に敷金精算時に、部屋が傷まない状態で退去してもらえますから、オーナーもリフォーム費用もかかりませんし、入居者にも敷金精算時の金額が減ります。
「小修繕トラブル」が起きないかも併せてチェック
敷金精算トラブルを起こさないのは、入居者のメリットを考えて、必要事項を伝えることで、その結果、大家さんのメリットが生まれます。
もう1つ付け加えると、入居時にいわゆる物件状況の確認を、管理会社および家主さんがするときに、小修繕トラブルが起きないかのチェックも行いましょう。リフォーム業者は一般的には小修繕の点検は行わないものです。水道のパッキン交換、ドアの建付け、網戸の剥がれ曲がり等を事前にチェックして、その小修繕部分についてしっかりと対応してもらいます。更に言うならば、リフォーム発注時に、それらも含めて依頼をしておけると良いでしょう。
そして、入居時には「水道パッキンの交換はしてあります!」、「トイレやお風呂の電球交換をしてあります!」と、しっかり対応した旨を伝えて、入居者にすっきりとした状態で入居してもらいます。
そのような改善後に入居をしてもらえば、入居後の小修繕のクレームが無くなります。