ハワイ不動産の売却・・・「仲介手数料率」を巡る最新事情

前回は、ハワイ不動産の売却時における、価格設定のポイントを解説しました。今回は、ハワイで不動産を売却する際の「仲介手数料率」を巡る最新事情を見ていきます。

ハワイでは仲介手数料の全額が「売り主負担」に

本連載の第26回でお伝えした通り、ハワイ不動産の売却にあたっては、

 

①現地エージェント選定

②売却価格

③仲介手数料率

④媒介契約期間

 

を最初に決めなければなりません。前回までに①と②についてはお話ししたので、今回は③仲介手数料率について見ていきましょう。

 

ハワイ不動産売却において、日本との大きな違いの一つとして挙げられるのがこの「仲介手数料率」です。

 

日本で中古物件を売買する際には「売り主」「買い主」双方が3%ずつの仲介手数料を支払うことが一般的です。それに対して、ハワイを含む米国では「売り主」が6%の仲介手数料を支払うことが慣習となっています。

 

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少し話が変わりますが、第4回でお話しした世界の不動産透明度ランキングにおいて、透明度上位10カ国における不動産売買時の仲介手数料の仕組みを見てみると、ドイツを除く大半の国が「売り主負担」を採用しています。世界的には、売買に伴い「大金を支払っているのは買い主で、受け取っているのは売り主なのだから、手数料は売り主が負担すべき」という考え方が主流です。むしろ日本式の方が世界標準からみると特殊なのです。

 

話をハワイに戻すと、「売り主」が支払った6%の仲介手数料は、「売り主」のエージェントと「買い主」のエージェントに50:50で支払われることとなり、結果として双方のエージェントが3%ずつを収受する、ということになります。

 

そのため、ハワイ不動産を売買する際に注意すべきは、「売却をする売り主」が自分のエージェントだけではなく、買い主側のエージェント分も含めて仲介手数料の全額を負担する必要があるということです。

売買に関わる全員がWin-Winになる取引を目指す

では、その6%という数字についてはどうでしょうか? もともとの慣習ではあるものの、現在の不動産を取り巻く環境は刻々と進化をしています。何度もご説明しているMLS(不動産情報のデータベースシステム、詳細は第2回をご参照)というシステム一つを考えても、今と20年前では全く状況が違います。今はパソコン一つあれば、あらゆる売却物件情報に24時間アクセスでき、当該物件に関する必要情報の90%以上はオンライン上で取得することが可能です。つまり、エージェントが提供する業務・サービスがテクノロジーの進歩により高度化かつ効率化されている状況です。

 

それを受けてか、近年では仲介手数料そのものが引き下げられるケースも増えてきました。「Honolulu Board of Realtor(ホノルル不動産協会)」が提供しているMLSシステム「HiCentral MLS」によると、2018年4月2日時点でマーケットに出ているResidential物件は約3,500件存在します。

 

そのうち、フルコミッションである6%をチャージしているのは約1,200件、1%ディスカウントして5%のコミッションが約2,000件、さらには2%ディスカウントで4%のコミッション案件が150件となっています。

 

下記図表からお分かり頂けるかと思いますが、もはや慣習であった6%をチャージできる案件よりも、ディスカウントレートである5%の案件が過半を占めているのが現状です。

 

[図表]

Source:Honolulu Board of Realtor - Hi Central MLS search “Residential on April 2nd, 2018”
出典:Honolulu Board of Realtor - Hi Central MLS search “Residential on April 2nd, 2018”

 

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もちろん、不動産業者・エージェントとしてはこの仲介手数料収入が売上に直結しますのでフルコミッション率である6%をチャージしたいところです。そのため売却依頼を出す場合は、まず初めに「ハワイでは売却時の仲介手数料は6%です」と言われるかと思います。上記の通り、実際は交渉の余地がある部分になりますが、それを知らずにいると「そういうものか」ということで、6%で依頼をしてしまうこともあり得るかと思います。

 

ただし、不動産を売却する「売り主」の最終的な目的は、エージェントと交渉をして仲介手数料を下げることではありません。目指すべきところは「適正な価格」で「早く」売却をすることであり、また「売却に伴う手続きをストレスレスに進めること」です。

 

仲介手数料の減額をすることにより、エージェントとしては収益の低い仕事を受けることになりますし、その減額された仲介手数料は買い手を見つけてくる買い主側のエージェントの収益にも影響を与えます。

 

もし自身が売却しようとしている物件と同じような物件がマーケットに出ていて、価格競争力がない場合、買い手を見つけてくるエージェントは、仲介手数料が多い物件と少ない物件と、どちらの物件をクライアントに勧めるでしょうか?

 

というように、単純に仲介手数料を下げることは、最終の目的を達成するためにプラスに働くかどうかは分からないのです。

 

不動産の売却において、エージェントの協力は必要不可欠なものです。

 

「売り主」「買い主」「双方のエージェント」がwin-winの関係を築ける取引が、結果として全員の満足できる取引かと思います。そのような結果が出るような取引を進めましょう。その結果を出すためには、ハワイ不動産売却の仕組みや背景を理解しておくことは重要な判断基準となります。

 

次回は、媒介契約期間についてお話しします。

 

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株式会社Crossover International 代表取締役

仙台第一高等学校、法政大学経済学部経済学科卒業。宅地建物取引士。
2002年より某大手ディベロッパーにて一棟物件、区分所有物件の事業用不動産の販売を手掛け、2005年より中古不動産のバリューアップに特化した不動産会社の創業・ブランディング構築に携わる。2008年より株式会社Seven Signatures Internationalにおいて、主に米国ハワイのホテルレジデンス・ラグジュアリーコンドミニアムプロジェクトの日本の超富裕層マーケティングのセールディレクターに就任。2017年に株式会社Crossover Internationalを設立。

WEBサイト http://www.crossover-international.com/

著者紹介

連載田村仁のホノルル不動産通信

 

本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は著者の個人的な見解を示したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、著者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

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