入居者募集の際は「ぎりぎりまで高い賃料」を狙う
前回の続きです。
●適正相場賃料での募集
書店に行けば空室対策に関する本がたくさん並んでいます。新築と見間違えるように室内をフルリノベーションすることを提唱するケースもあるようですが、不動産投資という面で見ると一概に良いとは言えません。
リフォームを例にすれば、いくら工事費用にお金をかけて部屋のグレードを高めても、完成した部屋の相場賃料から大きくかけ離れた高い家賃で入居付けができるかと言えば、それは難しいと言わざるを得ません。
何事にも適正価格があるものです。言い換えると期待値・期待価格です。
例えば、一流店で食べる寿司と一皿100円の回転寿司とでは当然、期待値が異なります。回転寿司は価格以上の味や満足感を提供できているお店が多いので、ファミリー層を中心に人気があります。一方、例えば3万円も支払って高級寿司店の暖簾をくぐったとしても、回転寿司並みの味や対応であれば期待値以下となり、誰も次からは足を運ばないでしょう。
賃貸住宅でいえば、このエリアで、最寄駅まで徒歩何分程度で、この部屋のグレードだとおおむねこれくらいの賃料、といった具合です。ただし、相場価格といっても幅があるため、入居者募集の際はぎりぎりまで高い賃料を狙うのがポイントです。
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一般オーナーには難しい「適正賃料」のヒアリング
賃貸住宅のポータルサイトをチェックすれば、おおまかな相場賃料が把握できます。注意点としては、インターネットに掲載されている条件はあくまでもオーナー側が希望する募集賃料であり、その価格で入居が決まるわけではないということです。
そこで必要となるのが成約価格の把握です。また、そのエリアの広告料の相場も知る必要があります。最も早く、確実に情報を得る方法は、知っている人に聞くことです。それは賃貸仲介営業マンや管理会社です。力のある賃貸仲介営業マンとつながりがあると、インターネットをチェックするだけでは分からない現場ならではの情報が手に入ります。
ただし、自分の立場を考えてヒアリングをしなければなりません。当社のような管理会社の場合、賃貸仲介営業マンは忌憚なく意見を言ってくれます。「あの内装では決まらない」「賃料が相場と合っていない」「広告料が競合物件より低い」などです。
一方、一般オーナーの方がヒアリングをすると、本当のことを話してくれない可能性があります。私も一般投資家時代、物件購入前に周辺エリアの賃貸業者に賃料ヒアリングをかけました。私の聞き方の問題もあったかもしれませんが、なんとなく曖昧な情報しか聞き出せませんでした。
賃貸仲介営業マンの立場を考えると、信頼関係が確立していない初対面の人に対しては、真剣に考え答えようとはしないでしょう。今後、一般投資家が新規で物件購入を検討される際は、そうした建前の部分を差し引いて適正賃料を導き出す必要があると言えます。または、賃貸経営のパートナーを得て、相場を把握する方法が良いでしょう。
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この話は次回に続きます