混在型の管理会社と不動産オーナーは利益相反の関係!?
不動産オーナーが混在型の管理会社に物件の管理を委託した場合、実はお互いに利害が一致しない関係性になっています。
家賃を例に見ていきましょう。入居検討者は家賃をできる限り下げてほしいと希望しますが、オーナーは極力下げたくありません。賃貸仲介営業マンとしては、家賃を入居検討者の希望通りに下げてもらって仲介できれば、仲介手数料と広告料が得られるため、場面によってはオーナーの利益に反した交渉をする可能性が大いにあります。
これは、オーナーにとって混在型の管理会社が必ずしも同じベクトルで賃貸経営をしていないことを意味します。
一方、仲介店舗を持たない専業型管理会社、特にPM型管理会社はオーナーの代理として賃貸経営を行う立場ですので、オーナーと同じ目線で収益物件を管理することが前提です。オーナーの利益を最大化すれば、結果として自社の利益の最大化につながるからです。
さらにオーナーが利益をあげて2棟、3棟と買い増し、投資規模を拡大していけば管理会社としての利益も大きくなります。もちろんオーナーに投資拡大を無理強いすることはいけませんが、利害の一致している管理会社がオーナーと投資目標を共有のうえ、収益物件の管理運用に徹してくれるのは、オーナーにとって非常に心強いと言えるでしょう。
前述のようにリフォームをする場合でも、一般的な管理会社では工事会社から提示された高額のリフォーム内容をそのままオーナーに提案してくるはずです。
しかしオーナーと同じ目線で管理している管理会社であれば、投資効率を最大限に考慮した適正なリフォーム内容に見直したうえで提案してくるでしょう。そのうえ、担当者が個人で不動産投資を行っていれば、より投資家と同じ目線での提案がもらえます。パートナー選びの参考にしてください。
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収益物件の売買のみを行う不動産業者の注意点
ほかの不動産会社で購入した収益物件を管理してほしい、という依頼を受けることがあります。しかし、すべての相談物件の管理を受託しているかといえば、そうではなく、一部はお断りしています。理由は入居付けや管理運営の面などで、私たちではお役に立てないと判断するからです。具体的にはエリア選定や物件選定といった初期設定を決定的に間違い、どう手を尽くしても入居付けが厳しい物件などです。
なぜそういう物件を買ってしまったのか――。収益物件の売買のみを行う不動産業者は、基本的に物件を販売したあとの管理運営を自社で行いません。取引のある管理会社の紹介はしますが、極論を言えば販売した物件がその後、収益を生み出そうが赤字を出そうが関係ないのです。
また、そのような会社の給料体系の多くは歩合給です。フルコミッション(完全歩合給)の会社も多いため、担当者は自分の給料を稼ぐために不利な条件の物件でも言葉巧みに売るというインセンティブが働いてしまいます。
一方、売買だけでなく販売後の入居者募集や物件管理も行う不動産業者の場合、ダメな物件(=購入後の賃貸経営が難しい物件)を勧める可能性は低くなります。入居者募集で苦労するなど、自分で自分の首を絞めることにもなるからです。
不動産会社にとって入居者募集や物件管理は、細かく手間と労力のかかる仕事です。そして売買と比べると利益が少ないという特徴もあります。売買に特化すれば、その苦労がないわけですから楽なのです。
不動産投資家の立場で言えば、不動産業者から紹介された物件を購入したあとは、紹介した業者が責任を持って賃貸経営のフォローをしてくれることが理想です。
さらに、賃貸管理を本気で行っているかも確認する必要があります。業者によっては、購入後の賃貸管理を行うとは言っているものの、実態は業務を丸ごと地場の管理会社に丸投げして管理手数料のサヤを抜くだけの会社もあるため、管理内容の詳細、外注業務の内訳などを確認するのです。管理業務を何人で行っているかなども確認すると良いでしょう。
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