ハワイ不動産の売却・・・売出し価格はどのように設定するのか?

前回は、ハワイ不動産の売却時における「現地エージェント」の選び方を解説しました。今回は、ハワイ不動産の売却時における、価格設定のポイントを見ていきます。

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現在の売買動向から「最適な売却価格」を検討

前回、ハワイ不動産の売却にあたって決めなければならないのは、大きく下記の4つとお話ししました。

 

①現地エージェント選定
②売却価格
③仲介手数料率
④媒介契約期間

 

今回は、②売却価格について見ていきます。前回、ご自身の物件を売却するためのエージェント選定の重要性について触れましたが、信頼できるエージェントが見つかったら、次に決めるのは「いくらでマーケットに出すのか?」ということです。

 

繰り返しお伝えしていますが、米国では「Multiple Listing Service(MLS)」によって、ほぼ全ての物件情報が公開されています。

 

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では、実際にどのような情報が公開されているのかを見てみましょう。

 

サンプルとして、下記図表「Trump Tower Waikiki」の2018年3月26日時点の売買状況を見てみましょう。

 

[図表]Trump Tower Waikiki 売買状況(2018年3月26日時点)

 

青い欄に記載されているのが、上記日時において「販売中」のステータスの物件一覧になります。こちらから読み取れる情報としては、下記の項目があります。

 

●販売物件数

●部屋の間取り

●部屋の面積(Square Feet)

●Square Feet単価(※日本で言うところの坪単価のような指標)

●当初売出し価格

●現在の売出し価格

●マーケットに出した日付

●マーケットに出してからの経過日数

 

ここから、現状のマーケット状況を読み解きます。ある意味で、ここに掲載されている物件が、ご自身の物件を売却する時には「競合物件」になるわけです。まずは、競合がどのような価格帯でマーケットに出しているのかを把握することができます。

 

同タイプの部屋が出ていれば、上下階の関係性でおおよその価格が想定できます。また別タイプであっても、全体のSquare Feet単価等から割り戻して、概算の売却価格帯が把握できます。

 

黄色い欄に記載されているのは、「In Escrow Not Showing」と「In Escrow Showing」というステータスです。こちらは、上記の販売物件の中から、実際に買い手がついて「所有権移転登記までの手続中物件」になります。

 

ここに掲載されている物件は、直近で売り主と買い主が売買の合意をした、最も「今」のマーケット事情を反映したものになります。契約成立から引渡しまでの限られた時期(※成約から引渡しまでは約30日~60日程度)における掲載となるため、物件数は少なくなています。しかし、現在「Trump Tower Waikiki」の購入を検討している買い手がどのタイプの部屋を選んだのか、またその際のマーケットプライスがいくらなのか、という点は売却価格を設定するにあたり、非常に重要なデータとなります。

 

最後に赤い欄に掲載されているのは、「過去180日以内に実際に売買契約が成約し、引渡しが完了した物件」の一覧になります(180日というのは一例で、365日にも1,000日にも設定は可能です)。

 

こちらも上記の登記手続中物件と同様に、実際に買い手がついた成約事例となるので、価格設定の際に参照すべき最重要データになります。登記手続中の物件一覧よりも、日数を指定することで、ある程度まとまった売買事例を入手することができます。そのため、ご自身の部屋タイプと同タイプのものがいくらで取引されたかどうかも見つけやすく、売却価格を設定する際には、より具体的なプライスを検討することが可能です。

 

ここに掲載したデータは、価格設定をするにあたっての基本的なデータになり、これで「Trump Tower Waikiki」のプロジェクト全体の売買動向を把握することができます。

 

なお、「Trump Tower Waikiki」であれば、比較検討物件として「The Ritz-Carlton Residences Waikiki Beach」などもご覧になる方が多くなるため、Ritzに関しても同様のデータを参照し、さまざまな角度からの最適な売出し価格を設定する必要があります。

MLSのデータを自身で検索することも可能!?

一例ではありますが、このデータからもお分かりいただけるように、基本的にハワイ不動産の売買情報というのはガラス張りになっています。そのため、どの部屋がいくらで売りに出ているのか、また成約価格はいくらか、マーケットには何日間でていたのか、ということが明確に分かります。このデータはエージェントであれば誰でも入手可能なものですが、昨今はテクノロジーの進化により、不動産会社のWeb上にもMLSのデータをそのまま転載・検索できるようになっているものも多いので、ご自身で検索することも可能です。

 

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日本とは違い、ハワイ不動産では不動産業者・売り主・買い主間の情報格差が非常に少ないため、価格設定には一定の客観性が担保されます。売り主としては自分の部屋だけ極端に高く売ることはできない代わりに、適正なマーケットプライスで売却することができます。また買い主も同様に、自分が買う物件が高値で掴まされているのではないか、という心配はなくなり、安心して購入できる環境が整っているのです。

 

※こちらに記載した内容は価格設定における基本的なポイントとなるものですが、実際に売却に出される場合は、より当該物件にフォーカスした分析を行うことになります。

 

いよいよエージェントと売出し価格も決まりました。次回は実際にマーケットに出すための媒介契約書の中身、またエージェントとの契約内容について見ていきましょう。

 

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    株式会社Crossover International 代表取締役

    仙台第一高等学校、法政大学経済学部経済学科卒業。宅地建物取引士。
    2002年より某大手ディベロッパーにて一棟物件、区分所有物件の事業用不動産の販売を手掛け、2005年より中古不動産のバリューアップに特化した不動産会社の創業・ブランディング構築に携わる。2008年より株式会社Seven Signatures Internationalにおいて、主に米国ハワイのホテルレジデンス・ラグジュアリーコンドミニアムプロジェクトの日本の超富裕層マーケティングのセールディレクターに就任。2017年に株式会社Crossover Internationalを設立。

    WEBサイト http://www.crossover-international.com/

    著者紹介

    連載田村仁のホノルル不動産通信

    本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は著者の個人的な見解を示したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、著者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

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