投資戦略は「投資家としてのステージ」によって異なる
前回の続きです。
なぜ、世の中にこういった齟齬が蔓延しているのかというと、それは投資本の書き手と読み手の間にあるへだたり、投資家としてのステージの違いが考慮されていないからです。
これから投資を始める、あるいは新築の区分マンションを一つ、二つ持ったくらいの投資家がステージ1だとすると、本を出版する投資家はステージ3以上にいるイメージです。そこで、ステージ3の投資家が自著に「現在、自分がやっていること」を記したからといって、それは個人の経験談の域を出ない話であり、ステージ1の読者が真に受けてはいけない部分が出てくるのです。
もちろん、学ぶべき点、すぐに実践できる内容も多分にあります。また、これは物件選びにも通じますが、カリスマ投資家であっても、最初は無難な物件でさほど有利ではない条件で融資を受けて始めているケースが意外と多いのです。
本人は「今だったら買わない物件」とコメントするのが定番ですが、これはあくまでも結果論です。無難な物件でそのときに借りられる融資条件で始めたからこそ、大きな失敗やトラブルもなく経験を積むことができて、次に進めたという話です。
初めの一歩があったからこそ、次はより高難易度の物件も狙うことができ、より低金利のプロパーローンが借りられるようになり、現在の姿があるのです。
重要なのは「拡大期」の投資判断
投資の拡大期においては「失敗しないこと」「退場しないこと」を忘れないでください。不動産業者が紹介する物件というのは、市況に沿った利回りが確保されていて、銀行融資が付く物件ばかりです。
そして、融資が付く物件というのは、銀行独自の基準で「この物件を買うのであれば、お金を貸しても大丈夫」と判断した物件でもあります。もちろん買う人の属性次第という前提条件が付くので、世帯年収700万円以上が望ましいところです。
そういった物件と条件がすべてそろった状況で、「投資するか、しないか」を決めるのはあなた自身です。
最終的には投資家として、事業家としての投資判断が求められます。そのとき、判断の精度を上げるのに役立つ参謀となるのが、パートナーとして信頼できる不動産業者なのです。