前回は、金融機関は「借り手」「物件」のどこを見て融資判断を下すのかを解説しました。今回は、投資用不動産の専門業者を利用するメリットを見ていきます。

投資家が融資を求て銀行を訪ね歩くのは非効率

有利な銀行融資を受けるためには、投資家としてどのようなアプローチが必要かについてお伝えします。巷に数多く売られている不動産投資書籍の影響でしょうか、「金融機関は自分で飛び込み営業して開拓するものだ」と信じている投資家もいるようです。

 

しかし、多忙を極める金融機関に、見ず知らずの個人の一見客が飛び込んだところで、彼らはまともに取り合うつもりはありません。唯一例外があるとしたら、投資信託や外貨預金、保険商品などの現預金の運用相談くらいです。

 

また、サラリーマン投資家からしても、毎日仕事があるなかで自分に融資をしてくれる金融機関を求めて、一行ずつ訪ね歩くことは非効率です。そもそも銀行の営業時間は平日の午後3時までです。金融機関の数はそれこそたくさんありますから、そのすべてを網羅することは物理的に不可能です。

 

また、金融機関を種類別に紹介したとおり、サラリーマンに不向きな金融機関や、プロパーローンとしてアパート・マンションへの貸し出しは行っていてもアパートローンを取り扱っていない金融機関もたくさんあります。

 

不動産投資では「知識量」や「行動量」が問われる部分もありますが、まったく情報を得ていないなかでやみくもに動くのは単に時間の無駄遣いです。物件購入のための融資の実態として、特に1、2棟目を購入する投資家であれば、その多くが不動産業者のアレンジで融資に取り組むことになります。そのほうが、労力も時間も圧倒的に節約できます。

取引実績のある業者経由のほうが、融資の成功率は高い

特に不動産投資ブームといわれる昨今では、投資用不動産を専門に取り扱う業者にパワーがあります。当たり前の話ですが、多くのサラリーマン投資家の顧客を持ち、常に銀行との付き合いがあります。

 

筆者著書『区分物件オーナーのための 神速!億万長者計画』で詳述したとおり、銀行融資のルールは変わりやすいものです。ちょっとした変更であっても、不動産投資家にとっては命取りになりますが、こうしたプロの業者にはきちんと情報が集まってくる仕組みが整っています。そして、金融機関としても取引実績がある業者から持ち込まれた案件のほうが、融資の成功率が圧倒的に高いものです。

 

金融機関の仕組みとしては、前提として、その銀行の融資基準にあった物件、属性でなければ進めることができません。その判断のためには、物件の評価を出すための資料、属性を判断するための資料が求められます。そのうえで審査を進めて、融資の可否を決めていくことになります。そういった手続きを、取引件数の多い不動産業者は熟知しています。

 

考えてみれば、何棟も買い増しをしている事業的な投資家でもない限りは、せいぜい住宅ローンを組んだ経験、筆者著書『区分物件オーナーのための 神速!億万長者計画』の読者であれば、業者におまかせで新築区分マンションの融資を受けた経験くらいしかないものです。経験値がないなかで、そこまでスムーズに立ち回れるものではありません。仮に金融機関を自分で開拓するにしても、それは十分な経営実績と投資規模を持つようになってからで遅くありません。

 

逆に言うと、1棟目、2棟目を買う段階では、融資は業者に頼りきりでも問題ありません。このフェーズにいる投資家が、独自に金融機関を開拓する行為は、すでに事業を営んでいて、銀行と取引がある人でもなければ、無駄な努力に終わります。サラリーマン大家には無用な回り道だと覚えておいてください。

 

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    本連載は、2017年8月15日刊行の書籍『区分物件オーナーのための 神速!億万長者計画』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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