多岐にわたる管理業務…多忙な医師がこなすのは難しい
手間がかからないという意味では、不動産は管理を専門家に外注できるということも大きいでしょう。
一口に管理業務といってもその内容は多岐にわたっています。
●入居者の募集
広告作成、チラシやサイトへの出稿、周辺不動産会社への情報提供、物件の案内
●契約業務
入居者審査、契約内容の説明、契約金の受領、鍵の引渡し
●入居者管理
入居立ち会い、家賃集金、家賃滞納者への督促、クレーム処理、モラルのない入居者への対応、設備の故障・修理への対応、近隣への対応、緊急時の対応、鍵の保管
●清掃・除草
外構・外装・敷地内の清掃、除草、植栽のメンテナンス
●建物・設備のメンテナンス
定期点検、補修、専門業者への手配
●契約更新・改定業務
契約更新手続き、賃貸条件の改定
●解約業務
退去までの注意事項説明、敷金の精算、退去立ち会い、鍵の回収、精算書の作成
●リフォーム
リフォーム計画の立案、工事の手配、工事立ち会い
●収支表の作成
毎月・毎年の収支表の作成
これらをすべて医師であるオーナーが行うには無理があります。まして「クセの悪い入居者をどうにかしてくれ」「孤独死の遺体が見つかった」といったイレギュラーなトラブルに見舞われれば素人にはお手上げです。そのため、このような煩雑な不動産管理業務は、プロの不動産管理会社に依頼するのが最善策です。
オーナーと管理会社は「WIN-WIN」の関係
管理を依頼するということは、当然、手数料が発生します。家賃という安定収入を目指す不動産運用にとって、できるだけ出費は避けたいところですが、一般的な管理手数料は家賃の5%から7%程度です。仮に20戸の中古マンション一棟を所有していた場合、家賃の平均が月額7万円とすれば毎月の収入は140万円になります。
一方の管理手数料は約7万円です。もし前述の管理業務をすべて自分で行うことになったとして、月額7万円の報酬で請け負うでしょうか。おそらくそのような割に合わない仕事をするドクターはいないでしょう。ですから、管理業務の委託は費用対効果の高い出費だといえます。
また、一般的に管理業務と聞くと建物まわりの清掃など、日々のメンテナンスを思い浮かべる人が多いようですが、実はもっとも重要なのは、できるだけ空室を出さないための活動、そして出た場合の入居者募集活動です。
賃貸物件は一度空室が出てしまうと、新たな入居者を見つけるのに多大な労力とコストがかかります。管理会社としても空室分の手数料が入らないのは損失なので、一生懸命空室を出さないための活動や募集を行います。
一方で、広告などのコストはオーナーの負担になります。つまりオーナーと管理会社は持ちつ持たれつ、WIN-WINの関係なのです。