「百均の小物」で成約率が上がるケースも
ここからは大手不動産情報ポータルサイトを通じて私がやってきた入居希望者を成約に結びつけるちょっとした工夫を紹介してみよう。大家さん業というと、つい「何もしなくても家賃が入ってくるラクな仕事」と思いがちだが、とんでもない。こんな細かなところにも気を配る必要がある。私には、そこがおもしろいのだ。
たとえば、こんな小物を各部屋にあらかじめ設置しておくだけで、内覧のために訪れた入居希望者の背中をひと押ししてくれる。
USBコンセント:スマートフォンやタブレット端末だけでなく世の中にはUSB端子を使って充電する機器があふれている。ひとり暮らしでも電源コンセントは専用の充電アダプターで埋まりがちだ。だから普通の電源コンセントをUSB充電用のコンセントを備えたものに換えておくと、それだけで好印象になる。
吊り戸棚:洗面台の上とか脱衣室の上など、空き空間に小さな吊り戸棚をつけるのも効果的。スペースの少ない単身者向けマンションでは、ちょっとした空間を収納スペースにするだけで入居希望者にアピールできる。
また百円均一ショップで売られているような小さなフックを、あらかじめ玄関の壁に直付けしておく。するとなんでもないフックがコート掛けや、帽子掛けに変身する。吊り戸棚もそうだが、入居者があとから壁に取り付けることは、禁止されるケースも多いので、最初から付けておけば、やはり好印象。とくに小物フックなどの場合は費用対効果が高い。
浴室回りのカスタマイズは、女性の入居希望者に好印象
女性の入居者を意識するなら浴室はなるべく高機能なものを使いたい。
サーモスタット式水栓:シャワー中に台所で洗い物をはじめるとお湯の温度が不安定になることがある。それを防いでくれるのがサーモスタット式水栓。普通の水栓と価格はあまりかわらないので新築なら迷わず採用したいし、リフォームの際も優先度が高い。
スライド式ヘッドシャワー:縦のバーに取り付けられたシャワーヘッドが上下に動き、シャワーの高さが自由に調整できるようにしたもの。髪を洗う際に便利だと女性には好評だ。これがあるだけで相当ポイントは高くなる。
洗濯物乾燥機能:浴室に洗濯物を乾燥する機能があると、これも好感度アップする。浴室そのものも湿気から守られるのでカビも防げる。