女性がターゲットなら「セキュリティ機能」が必須
賃貸住宅の経営戦略として「女性専用」をうたうことには、いろいろな意見がある。最初からターゲットを絞り込んでしまうと、結局は自分で自分の首をしめることになるという意見も頷けるし、いやいや東京の渋谷区のように女性、しかも独身女性の数が圧倒的に多いようなエリアでは、メリットが大きいという意見も間違ってはいないようだ。
それはさておき、専用とはいかないまでも、女性を意識した賃貸住宅にするなら、やはりそれなりの戦略が不可欠だ。
たとえばセキュリティ機能を完備した賃貸住宅をつくれば、自然に女性の単身者層にアピールできる。セキュリティの確保からいえば、管理人の常駐がのぞましいが、小規模な賃貸住宅で実現することはなかなか難しい。そこで頼りになるのがITを駆使したセキュリティ戦略だ。セキュリティ会社にマンション全体で加入し、防犯カメラを設置すれば、セキュリティはかなりアップする。
もちろんオートロックやTVモニタ付きインターホンといったベーシックな機能はお約束である。
「必須条件」をはずすと、成約率は極端におちる
ここまで紹介してきた単身者向けマンションの条件は、まさに基本中の基本だ。あなたがつくろうとする賃貸住宅のライバルも、当然、これらの必須ポイントを熟知している。
したがって、もしあなたの都合で、こうした必須ポイントをはずした賃貸住宅をつくったらどうなるか。結果はもうおわかりだろう。検索条件に合致しないあなたの物件は、最初の関門ともいえる大手ポータルサイトの段階で振り落とされる。いつまでたっても、借り手はあなたの物件にたどりつくことができないのだ。
これが現代の賃貸市場の現実だから、文句をいってもしかたがない。大家さんにできることは、入居者が気持ちよく暮らせることを第一に考えながら、その一方でひたすら大手不動産情報ポータルサイトの検索項目にひっかかりやすい物件を演出することだ。