前回は、賃貸物件で成約率をアップさせる裏ワザを取り上げました。今回は、空室率を下げる工夫について見ていきます。

防犯に役立つグッズやサービスを、先取りして導入

オートロック、防犯カメラ、センサーライト、サムターン回し防止キャップなど、防犯グッズはどんどん進歩しているので、それを先取りしていくと成約率アップ、空室率低下の切り札になる。とくに女性の単身者は防犯性の高い物件には敏感だ。

 

また前にも触れた24時間対応のトラブルコールセンターに入っておくと入居者は安心だろう。防犯性の向上という点では、自動販売機の設置が意外に効果があるらしい。夜など自動販売機は適度な光を提供してくれるし、人通りも増えるからだ。

 

[図表1]

入居条件を緩和し、「家賃保証会社」を使う手も…

新築のマンション・アパートで大家さんをはじめる場合は、ここまで考える必要はないが、空室率があがって家賃を下げるしか方法がなくなったようなマンション・アパートでは、入居条件を緩和するという奥の手もある。

 

家賃の滞納などリスクも高まるが、いまは滞納保証会社などもあるので、禁じ手とまではいえないようだ。

 

部屋を貸す側にとって家賃保証会社を利用する最大のメリットは、家賃の滞納リスクを軽減できる点だ。借りる側にとっては連帯保証人が不要になることがメリットだろう。親やきょうだいに連帯保証人を頼みづらい人、高齢者、あるいは障がい者世帯や外国人滞在者などにはメリットの大きい制度だ。

 

しかし、家賃保証会社は貸主や管理会社のために「滞納家賃回収業務」を代行する側面のほうが強いといわれる。家賃の滞納が発生し立替えた家賃の回収が遅れれば、家賃保証会社の業績そのものに直結するからだ。そのため貸主自身や不動産管理会社による支払い催促・督促と比べ、家賃保証会社のほうが厳しくなりがちな面も否めないのだ。

 

借主が払う保証料は、いろいろだ。家賃の半月分、1か月分、家賃の30〜70%程度、1〜3万円程度の固定額など。2年ごとの更新時には、初回契約時より安く設定される例が多いようだ。滞納したままの家賃があったり、何度も滞納を繰り返していたりすれば更新に応じてもらうことは難しい。家賃保証会社にとって滞納家賃を立て替えることが業務だとはいえ、そのリスクは極力排除したいのだ。

 

[図表2]滞納時の流れ

本連載は、2017年5月刊行の書籍『年収400万円でも大家さんになれる 工務店社長が教える5つの流儀』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

年収400万円でも大家さんになれる 工務店社長が教える5つの流儀

年収400万円でも大家さんになれる 工務店社長が教える5つの流儀

町田 泰次

幻冬舎メディアコンサルティング

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