今回は、会社を成長のために欠かせない、強い財務体質作りの重要性を見ていきます。※本連載では、有限会社竹橋経営コンサルティング取締役社長、古尾谷 未央氏の著書『借りない資金繰り』(同友館)の中から一部を抜粋し、「借りない資金繰り」のポイントを分かりやすく解説します。

「財務内容」が脆弱なまま、売上だけ伸ばしても・・・

財務内容の良い企業を作っていくことは,倒産を避けるためだけでなく,今後企業が無理なく成長していくためにも必要な取り組みとなります。私が今まで見てきた優良企業は,必ずこの財務内容を強いものにする努力をしていました。

 

財務内容が脆弱なまま売上だけ伸ばしても,本当の意味では資金繰りは楽にならず,いつまで経っても借入体質で資金繰りに悩むということになってしまいます。「借入してもあっという間に資金が無くなり,気が付いたら借入金だけ残っていた」ということになりかねないのです。実際,何に資金が消えたのか事実を掴んでいないと,今後の企業経営における社内の危険因子に気づけません。これは,資金繰りとB/Sを見ることで明らかになります。こういった振り返りをしないと借入金は増え続けてしまうのです。

 

それに対し,出来る社長は借入金の怖さを知っており,借りることより「返すこと」を一所懸命に考えています。社長は借りて終わりでは無いということを,改めて認識する必要があるのです。

まずは社長が「甘い考え」を捨てよ

社長自身が甘い考えを捨て,まず「強い財務体質で絶対につぶれない企業を作っていく」という意思を強く持つことが必要です。例えば新製品の開発で創業したある社長は,製品開発だけに一所懸命で,それ以外はあまり興味を持たないで経営してきました。売上が伸びている時は良かったのですが,そうで無くなると,財務体質の弱さからあっという間に資金繰りがひっ迫してしまったのです。

 

企業に資金が残る体質にしていくためには,後述する(1)運転資金(2)企業維持費の考えをしっかりと認識することが重要です。これらを適正に管理することで,資金の貯まる強い財務体質に中長期的に変えていくことができるのです。そして,この達成のためには社長の強い意思と正しい判断,そして社員全員での地道な努力が必要となります。これらを中長期と短期の視点を持って,どのように計画し管理していくかが,財務体質を改善するポイントになるのです。これは一歩一歩焦らずに取り組んでいくことが大切です。

 

[図表]

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