今回は、相続前に適用要件を整えておきたい「小規模宅地の特例」について見ていきます。※本連載は、豊田剛士氏の著書、『「知らなかった」ではすまされない 地主・大家の相続対策の本質』(現代書林)の中から一部を抜粋し、相続発生後の流れから具体的な相続対策まで、相続対策の本質を詳しく紹介します。

「居住用・事業用・貸付事業用」の3種類の分類

相続税の申告の際に相続税額が大きく変わる特例が、「小規模宅地の特例」です。小規模宅地の特例をどこで適用するか、適用するためには要件をどう整えるかという検討は非常に重要なポイントです。

 

小規模宅地は簡便的に考えると、居住用(被相続人が住んでいる家屋がある土地)、事業用(被相続人もしくは被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族が事業に使っていた土地)、貸付事業用(アパートやマンションなどの賃貸経営を行っている土地)の3種類に分類されます。

 

そのなかで、居住用と事業用は80%の評価減、貸付事業用は50%の評価減です。また、適用できる面積は、居住用330㎡、事業用400㎡、貸付事業用200㎡です。居住用と事業用は併用が可能ですが、貸付事業用を適用する際には以下の式になります。

 

(①+②×200/400+⑥×200/330+(③+④+⑤)≦200㎡

※①~⑥は書籍参照(P58)。

自宅と事業用の併用効果が高かったが・・・

すべて同じ路線価だった場合は、居住用と事業を併用すると効果が高くなりますが、貸付事業用の土地の路線価が高い場合には、貸付事業用の土地に小規模宅地を適用することで効果が高くなることがあります。

 

そのため、もともとは大きな差がなく自宅と事業用の併用の効果が高かったが、資産の組替えなどで都心の収益不動産を購入したことで貸付事業用の土地に適用すると効果が高くなるという場合も出てきます。

 

小規模宅地の特例は、適用要件が奥深く、小規模宅地の特例だけでも本が1冊では足りないくらい濃い内容です。現在は使えても、介護などの生活環境の変化により適用の可否が変わる場合があったりもしますので、小規模宅地の特例が使える要件を整えておくこと、使えなかった場合でも対応ができるよう準備をしておくことが望ましいです。

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