前回は、オーナーによる空室対策として、初期費用削減と入居条件の緩和を取り上げました。今回は、家賃の値下げは「空室対策の最終手段」とすべき理由を見ていきます。

安易な家賃の値下げは、既存入居者の不公平感の元

改めて伝えたいのは、家賃の値下げはあくまで最終手段だということです。

 

まずはオーナーの創意工夫で家賃を維持したまま空室解消に努めるべきです。安易に家賃を下げる前に、まずは初期費用をゼロにしたり、フリーレントを付けたりと打てる手は全部打ちましょう。

 

なぜなら、同じ建物内で家賃を下げた部屋ができてしまうと、既存の入居者との間で不公平感が出ることになり、他の入居者からの家賃の値下げ要求や退去申し込みに発展する可能性があるからです。

家賃を下げる場合も、繁忙期を見て調整を

もしくは、家賃を下げるにしても、繁忙期は相場より少し高めにしておき、繁忙期が終わりそうなタイミングで少し下げるようにします。

 

完全に繁忙期を逃してしまったら、相場より10%低めにして募集をしてみるといった具合に、状況を見ながら慎重にコントロールすることです。

 

部屋の稼働率も非常に大切なので、順番としてはまずは入居募集の条件を緩める──外国人可、ペット可など、ほかの物件ではNGにしている条件を積極的に緩和する──ところから始めて、続いては鍵交換代金や家賃保証の手数料、火災保険料といった、本来なら入居者が払うべき初期費用をオーナーが肩代わりする施策を打ちます。そして最終手段として家賃の値下げ、という位置付けです。

本連載は、2017年8月刊行の書籍『区分物件オーナーのための 神速!億万長者計画』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

区分物件オーナーのための 神速!億万長者計画

区分物件オーナーのための 神速!億万長者計画

田中 竜太,太田 将司

幻冬舎メディアコンサルティング

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